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日本ユニシスがAI技術「Rinza」を体系化、工場やインフラの予兆検知にも適用へ:人工知能ニュース(2/2 ページ)
日本ユニシスは、情報活用ソリューションの提供や研究開発活動で培ってきた人工知能(AI)関連技術と知見を「Rinza」として体系化した。Rinzaを活用した具体的なサービスとして「知的エージェントサービス」を発表する一方で、今後は工場やインフラの予兆検知にも適用していきたい考えだ。
製造業向けにも「Rinza」を応用展開
会見では、知的エージェントサービス以外のRinzaの応用展開についても説明があった。その中で、製造業向けの事例として取り上げたのが予兆検知である。「機器故障の予兆検知」「IoTセンサーデータからの不具合予兆検知」「斜面崩壊災害の監視・予兆検知」などだ。
林氏は「工場やインフラにおける故障や不具合、異常の発生率は数万件に1件以下のレベルであり、ほとんど起こらない。つまり、故障や不具合、異常の教師データは豊富に用意できないので、収集/蓄積したデータから異常値を検知する判別ルール(モデル)を作成する必要がある。この分野でも、当社はさまざまな取り組みを進めており、Rinzaを応用展開していきたいと考えている。工場やインフラの予兆検知は数百億円のビジネス規模になるだろう」と述べている。
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