トヨタが2017年から燃料電池バスを市販、東京都交通局の路線バスで採用:燃料電池車
トヨタ自動車は、2017年から燃料電池バスを販売する。2018年に新型車を投入し、2020年には東京都などに100台以上を納入する計画だ。燃料電池バスの市販は日本初となる。
トヨタ自動車は2016年10月21日、燃料電池(FC)バス「トヨタFCバス」を2017年初めからトヨタブランドで発売すると発表した。東京都交通局が運行する路線バスとして走る。また、2018年にも新型FCバスを導入する他、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて東京都などに100台以上のFCバスを納入する計画だ。FCバスを市販するのは「日本初」(トヨタ自動車)としている。
乗車定員はベース車両と同等、走行距離は200km以上
トヨタFCバスは、トヨタ自動車と日野自動車で共同開発してきたFCバスの知見を踏まえてトヨタ自動車が開発した。ベース車両は日野自動車のハイブリッド路線バス「ブルーリボンシティハイブリッド」。トヨタFCバスの外形寸法は全長10525×全幅2490×全高3340mm。乗車定員は座席26人、立席50人、乗務員1人の計77人だ。
燃料電池車はハイブリッド車と比較してパワートレイン部品が増えるが、乗車定員77人はベース車両とそん色ない。
トヨタFCバスは燃料電池車「MIRAI(ミライ)」に搭載したFCシステム「トヨタフューエルセルシステム」を採用。FCスタックと駆動用モーターはそれぞれ2個搭載する。FCスタックの最高出力は114kW、駆動用モーターは最高出力113kW/最大トルク335Nmだ。
高圧水素タンクは10本搭載しており、容積は600l(リットル)。走行距離は200km以上だ。2015年に公道試験を行ったFCバスで搭載していた高圧水素タンクは8本、走行距離は150kmだった。ミライの場合は高圧水素タンク2本で走行距離は650kmとなっている。
また、大容量の外部電源供給システムを搭載し、最高出力9kW、容量235kWhの電力を供給できる。災害で停電した場合に、避難所や家電の電源として利用できるようにしている。
トヨタ自動車と日野自動車は、2001年6月にFCバスの試作車「FCHV-BUS1」を開発し、2002年9月には公道走行可能な「FCHV-BUS2」を発表している。FCHV-BUS2は、2005年3月開催の愛・地球博にも利用された。2015年1月からは、愛知県豊田市内を走る路線バス「とよたおいでんバス」の「豊田東環状線」(豊田市〜三河豊田駅前)を、トヨタFCバスが1日3往復する営業運転を実施。同年7月には東京都内でも走行実証と外部電源供給システムの給電実証を行った。
トヨタグループは、乗用車のミライに加え、FCフォークリフトやFCバス、家庭用の定置型燃料電池などの開発と商品展開を加速し、水素社会の実現を急ぐ。
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