燃料電池バスから電力を供給、災害時は体育館の照明を5日間点灯可能な電源車に:電気自動車
トヨタ自動車は、燃料電池バスの燃料電池で発電した電力を、車両内に設置したコンセントから外部に供給できるシステムを開発した。この他、最大9.8kWの電力を約50時間供給できるV2Hシステムの開発も進めている。
トヨタ自動車は2012年8月31日、燃料電池バスの燃料電池で発電した電力を外部に供給できるシステムを開発した。同社と日野自動車が共同開発した燃料電池バス「FCHV-BUS」をベースに開発したもので、車両内部に交流電力(AC100V、1.5kW)を出力するコンセントを2個設置している。FCHV-BUSの水素タンクが満タンであれば、最大出力3kWの電力を100時間以上供給できる。
今回の外部電源供給システムは、燃料電池で発電した直流電力をインバータで交流電力に変換してコンセントから出力する。同システムを搭載したFCHV-BUSは、9月2日に実施された愛知県豊田市総合防災訓練における「非常時電源供給訓練」の防災本部テント内の情報モニターに電力を供給した。なお、同訓練では、外部電源供給システムを搭載したプラグインハイブリッド車「プリウスPHV」(関連記事)も提供され、合わせて約20台の情報モニターに電力を供給したという。
さらにトヨタ自動車は、燃料電池バスの燃料電池と建物の電気配線を接続して、電力を供給するV2H(Vehicle to Home)システムの開発も進めている。直流電力を交流電力に変換する機能を備えた受電装置を介して接続することで、最大出力9.8kW、連続約50時間の電力を建物側に供給することを目指す。電力容量に換算すれば490kWhで、学校などの体育館の照明を1日12時間点灯するのに必要な電力(約100kWh)の約5日分に相当する。
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