MATLABがIoTとITシステムの“共通言語”に、無償のオープンデータ基盤も用意:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
MathWorksは、モデルベース開発環境「MATLAB/Simulink」の最新バージョン「R2016b」などで強化したビッグデータ処理機能について説明。「MATLABという共通言語によって、IoTとなる組み込み機器と、バックエンドインフラのITシステムのワークフローを統合できる」(同社)という。
無償のオープンデータ基盤「ThingSpeak」
シュア氏は「ビッグデータ処理が重視される一方で、ビッグデータを扱うデータサイエンティストが世界的に不足している」と述べ、この状況に対するMathWorksの施策を説明した。
まず教育やトレーニングの関連では、オンラインで受講できる無料のコースMOOCs(Massive Open Online Courses)にさまざまな講義を提供しており、学生などが無償で利用できるIoTのオープンデータプラットフォーム「ThingSpeak」を開設した。
そして「MATLABユーザーがデータサイエンティストになれる」(シュア氏)ような支援機能を、最新版のR2016bなどで追加している。例えば、MATLABによるデータ分析で、これまで1回で入りきらなかった規模の行数(トール配列の並列使用など)に対応できる機能が加わった。ITシステム側との連携に必要となるHadoopやSparkのサポートも拡充。機械学習の関連では、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いたディープラーニングにも対応した。
また前バージョンの「R2016a」では、MATLABを用いたアプリを設計できる「App Designer」を用意している。これを活用すればデータの分析結果などの見える化を容易に行える。開発内容や関連のドキュメント、分析結果の共有を簡易化する機能も追加されている。
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