ビッグデータ処理機能を強化した「MATLAB/Simulink 2016b」
モデルベース開発環境「MATLAB/Simulink」の最新版「Release 2016b」が提供開始された。メモリに収まりきらないような大規模データの処理について操作性が向上した他、新ツールやSimulinkの機能追加などが行われている。
The MathWorksがモデルベース開発環境「MATLAB/Simulink」の最新版「Release 2016b」を提供開始した。MATLABではメモリに収まりきらないような大規模データの処理について操作性が向上した他、新ツールやSimulinkの機能追加などが行われている。
MATLABへ新たに用意されたtall配列は、使い慣れたMALTAB関数と構文を用いながら大容量データの容易な処理を可能とするもの。数学や統計、機械学習のアルゴリズムに適用でき、Hadoopクラスタ上での実行や、Sparkアプリケーションとの直接統合も可能となっている。
また、時系列データに対してのインデックス操作や時間軸同期が行えるtimetableデータコンテナ、テキストデータを操作/比較及び収納するString配列なども含まれている。新たに追加されたツールボックス「Risk Management Toolbox」はリスクモデルの開発およびリスクシミュレーションの実行を可能とする。
MATLABについてはこれら以外にも、iPhoneならびAndroidからのデータログをMath Works Cloudに記録する「MATLAB Mobile」、Neo4jデータを取得するためのグラフデータベースインタフェースである「Database Toolbox」、Sparkクラスタでtall配列を並列使用してビッグデータを処理する「Parallel Computing Toolbox」などが含まれている。
SimulinkについてはJITコンパイラをアクセラレータモードで実行中のシミュレーションに用いてパフォーマンスを向上させることが可能となり、動的なスタートアップ/シャットダウンの挙動もモデル化可能となった。新たなハードウェアサポートとして、Raspberry Pi3とGoogle「Nexus」シリーズも追加されている。
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