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大学4年生になっても続けたい、学生フォーミュラでのクルマづくり車を愛すコンサルタントの学生フォーミュラレポ2016(2)(8/8 ページ)

学生フォーミュラのピットを周ってみると、各校の個性が見えてくる。マシンのコンセプトが異なるのはもちろん、苦労していることや抱えている課題もさまざまだ。取材に快く応えて生き生きと話してくれる、学生たちの笑顔がまぶしい。

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新入部員が増えた年に、マシンがちゃんと走った

 審査の結果はどうでした?

富山大学 藤田さん 実は前回まで技術車検に通ったことがなかったのです。でも今回は車検、ブレーキ、騒音、ティルトとクリアして初めて動的エリアに行きました。オートクロス出走の締め切り15分前に何とかスタートしたのですが、出走直後にチェーンが切れてリタイアに終わりました。

 チェーンのジョイントの部分が外れたようだけど、エンドレスチェーン使うとかの対策でいいのかな?

藤田さん いいえ、フレーム剛性が不足していると考えています。うちの大学では学生フォーミュラの活動を始めて6年目か7年目になりますが、とにかく初めてまともに走ったクルマが出来上がったので、ここからいろいろな課題を見つけて作り込んでいくというのがこのクルマの役割なのかなと考えています。

 一歩一歩かもしれないね。でも、新入部員がたくさん入った年にちゃんと走れたってことは大きいと思います。これが「製作が間に合わなかった」とか「車検に落ちた」という結果だと、モチベーションの維持が難しくなっちゃうものね。

藤田さん はい、本当にそう思います。ありがとうございます!

HONDA CBR600RRのエンジンを搭載
HONDA CBR600RRのエンジンを搭載(クリックして拡大)

 取材のさなかも、あちこちで会話が弾んでいる実に元気のあるチームでした。後日チームのブログを拝見すると、2016年4月時点では9人だったメンバーが、一気に11人増えて20人になったとのこと。

 人数が増えれば工数的には余裕が出るように思えますが、先輩たちは新入部員に1からいろいろと教えなければならないので、一時的にはパフォーマンスが落ちます。その上でちゃんと走るマシンを作らなければ新入部員が「なぁんだ、面白くないなぁ」なんてことになりかねません。惜しくもリタイアとなりましたが、初めて動的審査まで行ったことは自信につながりますし、マシンもベースが出来上がったということです。

 2017年の大会に向けて、キャプテンは2年生、主要メンバーは1年生の体制で行くことがブログに記してありました。なんだかベンチャー企業を立ち上げて、軌道に乗せるのと似ているなぁと感じつつ、2017年も黄色いユニフォームの大勢のメンバーが、会場である静岡総合運動公園に姿を見せてくれることを期待します!



 さて、次回(最終回)は「一関工業専門高等学校/岩手大学/岩手県立大学合同チーム(EV)」「名古屋大学」「上智大学」「東海大学」の4チームに取材したピットレポートです。お楽しみに!

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