ニュース
振動を約50%低減し寿命10倍以上に改善の小型スピンドル用玉軸受:FAニュース
NTNは、小型スピンドルに用いる軸受「ULTAGEシリーズ 工作機械主軸用小径高速アンギュラ玉軸受」を開発した。グリスの保持性を改善して高寿命化したほか、軸受軌道面の精度を高めて振動を低減した。
NTNは2016年9月26日、工作機械用の小型スピンドルに使用する玉軸受「ULTAGEシリーズ 工作機械主軸用小径高速アンギュラ玉軸受」を開発したと発表した。小型スピンドルの振動を抑えるとともに寿命を引き延ばす効果を見込む。
軸受内に多くのグリスを保持できる工夫を施した。具体的には、グリスの流出を防ぐ新設計のシールを採用。グリスの保持性を高めつつ、圧縮空気の流れやすさを維持して冷却効果と防塵(じん)効果の低下を防いだ。グリスの保持性は従来モデルに比べて4倍以上、耐久性は従来比10倍以上となる6000時間以上に改善した。
これまでは、圧縮空気を流すと内部冷却や防塵の効果が高まるものの、グリスが流出しやすくなることが課題だった。グリスの流出を抑えるためにシールを使うと、スピンドル内部に圧縮空気が流れにくくなり、冷却効果や防塵効果が低下していた。
軸受軌道面の精度を高める加工法を採用したことで振動も抑えた。従来モデルと比べ、振動を約50%まで低減できるという。
FAメルマガ 登録募集中!
FAニュースをはじめ、産業用ロボット、インダストリー4.0、PLCや産業用ネットワーク、制御システムセキュリティなど注目の話題をまとめてお届けしています。
ぜひ、メルマガ配信のご登録をお願い致します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 足し引き自在で効果は無限大! 金属3Dプリンタと切削加工の複合機投入が本格化
「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」で大きな見どころの1つとなったのが、工作機械と金属3Dプリンタの複合機だ。金属を「足す」3Dプリンタと金属を「引く」切削加工機が組み合わさることでモノづくり現場にどういう価値をもたらすのだろうか。 - 「日本で作って世界で勝つ」――オークマが“夢工場”で描く未来とは
工作機械大手のオークマは2013年、本社敷地内で新工場を稼働させた。「Dream Site 1」と名付けられた同工場は、部品加工から完成品まで一貫生産しIT活用による“見える化”を推進したスマートファクトリーだ。オークマは“夢工場”でどういう未来を描いているのか。現地を訪ねた。 - 世界1位の工作機械メーカーが目指すインダストリー4.0
ドイツの国家プロジェクトである「インダストリー4.0」を筆頭に、世界で生産革新への取り組みが進んでいる。こうした動きを、工作機械の世界シェアトップで、“日独連合”企業であるDMG森精機はどう捉えているのか。DMG森精機 代表取締役社長の森雅彦氏が同社の経営戦略について語った。 - 好況に沸く工作機械メーカーは盤石か!? 課題は営業力にあり
企業再生請負人が製造業の各産業について、業界構造的な問題点と今後の指針を解説する本連載。今回はリーマンショック前の勢いを取り戻しつつある日系工作機械メーカーの動向と課題について取り上げる。 - 微細加工は腕自慢じゃない。飯の種なんだ
設計者が通常、直接見る機会を得づらいだろう加工の現場を取材していく。自分の設計した部品が、いったいどのような方法で具現化されているのか、実感するためのヒント提供はもちろん、モノづくりの純粋な楽しさも伝えられれば幸いだ。(編集部)