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世界1位の工作機械メーカーが目指すインダストリー4.0DMG森精機 社長が語る(1/3 ページ)

ドイツの国家プロジェクトである「インダストリー4.0」を筆頭に、世界で生産革新への取り組みが進んでいる。こうした動きを、工作機械の世界シェアトップで、“日独連合”企業であるDMG森精機はどう捉えているのか。DMG森精機 代表取締役社長の森雅彦氏が同社の経営戦略について語った。

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 2015年5月に以前から業務・資本提携を結んでいたドイツのDMG MORI SEIKI AG(旧ギルデマイスター)を連結子会社化し、一躍世界シェアトップの工作機械メーカーとなったDMG森精機。昨今、ドイツを中心に進められているモノづくり革新「インダストリー4.0」が注目されているが、“日独連合”企業である同社はこうした動きをどう見ているのか。2015年7月6日に開催された「FACTORY 2015 Summer」で、同社 代表取締役社長の森雅彦氏がその経営戦略について語った。

2030年にはマーケットシェアを20%に


DMG森精機 代表取締役社長の森雅彦氏

 2014年における工作機械の世界市場規模は約6兆円で、そのうちDMG森精機の市場シェアは約8%だ。森氏は「この数字を2020年ごろに10〜12%、2030年には20%程度にまで引き上げたい。これがDMG森精機の今のチャレンジであり、可能な目標だと考えている」と語る。

 同氏がこうした目標を「可能だ」と語る理由が、欧州市場を中心とした販売実績だ。現在のDMG森精機の受注構成比率は、日本と米国がそれぞれ16%なのに対し、欧州は53%と突出している。森氏は「ドイツでは30%、フランスは40%、イタリアでは20%程度のシェアをもっており、このような欧州での高いマーケットシェアがわれわれの強み。こうした実績を支えているマーケティングや営業のノウハウを世界に展開すれば、さらなるシェアの拡大は可能だと考えている」と語る。

「キャッシュフローとして表現しなくては意味がない」

 こうしたシェア拡大に向けた取り組みの1つとして、重要なポイントとなるのが「インダストリー4.0」である。インダストリー4.0が目指すのは、設計や開発、生産に関連するあらゆるデータを蓄積し、これらを活用してロボットや製造機械が自律的に動作して生産を行う「スマート工場」の実現だ。DMG森精機は工作機械を提供してインダストリー4.0の実現を「支援する側」であり、自らもモノづくりを行う企業として「目指す側」でもある。

 こうした立場にある同社はインダストリー4.0をどう捉えているのか。森氏は「インダストリー4.0の実現によって目指すべきは、企業としてより強い財務体質を実現し、それを顧客に還元していくこと。そのために社員が長く安心して働ける環境と、技術開発体制を整えていく必要がある。日本では技術ばかりに注目しがちだが、インダストリー4.0でもIoTでも、最終的にはその成果をキャッシュフローとして表現しなくては意味がない」と語る。

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