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インダストリー4.0における“世界の軸”へ、日独連携の潜在力インダストリー4.0/IoT協力(2)(1/3 ページ)

CPS/IoT展「CEATEC JAPAN 2016」で開催された「日独シンポジウム―インダストリー4.0/IoT協力」。同セミナーの様子を紹介する本連載だが、2回目は2016年4月に発表された日独連携のその後の進捗状況について紹介する。

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連載:「インダストリー4.0/IoT協力」の目次

 CPS(サイバーフィジカルシステム)/IoT(モノのインターネット)展へと生まれ変わった「CEATEC JAPAN 2016」(千葉市、幕張メッセ、会期:2016年10月4〜7日)では2016年10月5日に、日本とドイツのIoTおよびインダストリー4.0に関する連携を紹介するセミナー「日独シンポジウム―インダストリー4.0/IoT協力」を開催。日本とドイツのデジタル政策について紹介した前回に続いて今回は、2016年4月に締結した「6項目の覚書」に対する取り組みの進捗状況について紹介する。

進む日独連携、具体化する活動

 インダストリー4.0で描かれる世界の実現は、1つの企業や1つの業界、1つの国家がそれぞれ個別で取り組むだけでは難しい。これらの枠組みを越えて、連携を進めることで初めて実現が可能となる。こうした中で日本とドイツは2016年4月にIoTおよびインダストリー4.0に関して協力を進めていく6項目の覚書(MOU)を締結。

  1. 産業向けサイバーセキュリティ
  2. 国際標準化
  3. 規制改革
  4. 中小企業に対するIoT利用の支援
  5. IoTおよびインダストリー4.0に対する研究開発
  6. 人材育成

 これらの項目において政府間の協力を進めていくことを決めた。さらに、ドイツのインダストリー4.0の推進団体である「プラットフォーム インダストリー4.0」と、日本における製造業のIoT推進団体である「ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)」の連携も発表し、実活動を推進していくことを明確にしている※)

※)関連記事:IoTで日独連携が成立、6項目で覚書締結へ

RRIの組織をより実行力ある形に

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経済産業省 製造産業局長の糟谷敏秀氏

 日本の経済産業省 製造産業局長の糟谷敏秀氏は「2016年4月の日独共同声明を受けてロボット革命イニシアティブ協議会の体制をさらに進化させた。より具体的な活動に直結する体制へと切り替えた」と述べる。

 ロボット革命イニシアティブ協議会は2015年5月に「ロボット新戦略」の実行組織として生まれた。3つのワーキンググループ(WG)で活動を進めているが、インダストリー4.0など製造業におけるビジネス革新を取り上げているのが、WG1の「IoTによる製造ビジネス変革WG」である※)

※)関連記事:政府主導の第4次産業革命団体、国際連携により発信力強化へ

 「IoTによる製造ビジネス変革WG」は従来は共同主査制をとってきたが、より意思決定や戦略判断を行いやすくするために新たに「アドバイザリーボード」を設置。主要メンバーによる委員会制とすることで、活動に具体性や実行力を持たせる。さらに、従来はWG傘下の活動は「サブWG」などとしてきたが、これらは維持した上で、WGの中心に据える活動を行うグループを「アクショングループ(AG)」とし、以下の3つのグループでの活動を開始する。

  1. 国際標準化AG
  2. 中堅中小企業支援AG
  3. ユースケース創出と利用AG
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共同声明を受けたロボット革命イニシアティブ協議会のWG1における組織変更(クリックで拡大)出典:経済産業省
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