290種類のオプションを網羅しカスタマイズ幅が広がった立形マシニングセンタ:マシニングセンタ(2/2 ページ)
DMG森精機は、多様化、高機能化を図った立形ベースマシン「CMX Vシリーズ」の販売をこのほど開始した。
重切削能力を25%向上
高剛性については、基本設計の段階からFEM解析を活用し、さまざまな動作条件や環境変化などをシミュレーションすることによって、ベッドの厚さやリブの形状、配置など微妙な調整を細部にまで施し、剛性の高い構造を実現した。それにより重切削にも対応する。
主軸は幅広い加工に対応する最高回転速度12000min-1の高性能主軸を標準装備している。また、高圧クーラントの多用を考慮して、ラビリンス構造を強化した。主軸内部へのクーラント浸入を防ぎ、主軸の耐久性を高めている。さらに倍力機構の採用により高クランプ力を確保した。
この他、省スペースな機械デザインながら作業効率の向上やメンテナンスのしやすさなどを考慮した設計を行っている。ドア開口部は1151mm(CMX 1100V)と十分な広さを確保し、治具の調整など段取り作業をスムーズに行うことができる。さらに、作業者がテーブルにアクセスしやすいよう正面カバーラインをテーブル側にくぼませ、テーブル高さを床面から850mmとするなど、段取り作業を快適に行えるように設計。クレーンを使用した段取り替えを考慮し、機械天井部に開口スペースを設けた。天井のシャッタは自動で開閉できる。
メンテナンスを考慮して、日常点検に必要な機器類を機械右側面の高い位置にまとめて配置することで、視認性が向上している。この他機内プロテクタに30度の傾斜を設け、機内の切りくず堆積を抑える。ATCシャッタを標準装備し、マガジン内への切りくずやクーラントの浸入をシャットアウトすることでマガジンの動作不良を防ぐ。価格(税別)は960〜1090万円とする。
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