勝ち組はどこだ? IT×FAのビッグな協業相次ぐ
インダストリー4.0をはじめとするスマートファクトリー実現への動きが加速する中、協業の動きが広がりを見せています。特に工場内の設備や機械などを担うメーカーと、ICTベンダーの大手同士の提携の動きが、最近立て続けに進んでいます。
2016年4月にはNC機器や産業用ロボット大手のファナックが、開発を進めるスマートファクトリー基盤「FIELDsystem」では、コアの開発パートナーとして、米国のCisco Systems、Rockwell Automation、日本のPreferred Networksなどと協業しました。さらに同年7月にはNTTおよびNTTコミュニケーションズ、NTTデータのNTTグループ3社とも協業を発表し、ICT関連の開発力強化を図っています※)。
※)関連記事:IoTによる「自律工場」へ加速するファナック、NTTグループとも提携へ
一方、工作機械大手のDMG森精機は2016年9月9日、スマートファクトリー実現に向けて日本マイクロソフトと提携することを発表しました。DMG森精機は既に工作機械において、KDDIの3G回線を用いた遠隔保守サービスを行っていましたが、グローバルでの展開などを想定する中で、セキュリティ面での課題や情報分析などの課題などを解決するために、提携を行ったといいます※)。
※)関連記事:加速するスマート工場、DMG森精機はパートナーにマイクロソフトを選ぶ
こうした動きは、これらの取り組みの他にも国内外問わず数多く登場しており、大きな流れとなってきています。背景にはお互いが補完し合う関係であることが挙げられます。
関連記事
- 加速するスマート工場、DMG森精機はパートナーにマイクロソフトを選ぶ
DMG森精機と日本マイクロソフトは、工作機械を中心とする制御システムセキュリティと、スマートファクトリー実現に向けて、技術提携を行うと発表した。 - ファナックのスマート工場パートナーに200社以上が参加、デファクト形成へ加速
ファナックは、同社が推進する製造現場向けのIoTプラットフォーム「FIELD system」のパートナーイベントを初開催し同システムのAPIを公開した。パートナーとしては200社以上が加わり、自律するスマート工場実現への取り組みを加速させる。 - IoTによる「自律工場」へ加速するファナック、NTTグループとも提携へ
産業用ロボットやFA機器などを展開するファナックは、NTTグループ3社と提携し、IoTによる自律した工場を実現するためのプラットフォーム「FIELD system」の早期実現に向け、協業を行う。 - ダイセル式生産革新がさらなる進化、日立の画像解析でミスや不具合の予兆を検出
日立製作所とダイセルは、製造現場における作業員の逸脱動作やライン設備の動作不具合などの予兆を検出し、品質改善や生産性向上を支援する画像解析システムを共同開発した。ダイセルが実証試験を行っているエアバッグ用インフレータ工場で、2016年度内をめどに本格運用を始める。 - 日立、三菱、インテルの3社、スマート工場でIICテストベッドとして承認
日立製作所、三菱電機、インテルの3社は、インダストリアルインターネットコンソーシアム(Industrial Internet Consortium、以下IIC)に対し、スマート工場におけるテストベッド(実証の場)を共同提案し、承認された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.