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通院せずに高血圧を治せる!? 「都市型遠隔診療」の実証研究がスタート医療機器ニュース(2/2 ページ)

ポートと東京女子医科大学は、ネットワーク血圧計を活用した高血圧者の遠隔診療の実証研究を開始すると発表した。従来の遠隔診療の実証研究は、無医地区に住む高齢者を対象にすることが多かったが、今回は世界でも例のない「都市型遠隔診療」の実証研究となる。

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遠隔診療だと診療費用が安価になる!?

 実証研究の遠隔診療では、オムロンの自動血圧計「HEM-9200T」を使用して毎日血圧測定を行う。HEM-9200Tは、90回分の血圧測定データを蓄積可能で、専用スマートフォンアプリとBluetooth経由で連携すれば、ポートメディカル上に血圧測定データを保存できる。

オムロンの自動血圧計「HEM-9200T」で血圧を測定し、「ポートメディカル」上で血圧測定データを保存する
オムロンの自動血圧計「HEM-9200T」で血圧を測定し、「ポートメディカル」上で血圧測定データを保存する。医師は、この血圧データや患者とのコミュニケーションを基に遠隔診療を行う(クリックで拡大)

 6週間ごとの定期診療の際には、診察を受ける参加者がスマートフォンを、診察する医師がPCを使って、テキストベースのチャットやテレビ電話によるコミュニケーションを行う。

遠隔診療におけるテレビ電話の様子
遠隔診療におけるテレビ電話の様子(クリックで拡大)

 遠隔診療のメリットの1つとして、診療費用が安価になる可能性が挙げられている。まず、通院のための交通費がかからなくなるので、その分安価にはなることが期待できる。ポートメディカルのシステム利用料についても「今回の実証研究では、診療や薬の費用、それらの支払いに用いるクレジットカード利用料を除いて、システム利用料などは請求しない」(ポートの春日氏)という。さらに現在の法制度では、遠隔診療で請求できる診療報酬が基本診療料だけなので、従来の対面診療で請求できている高血圧の生活習慣管理料などがかからないので、診療費用もかなり安価になる。

 ただし、東京女子医科大学の市原氏は「現在治療できていない放置高血圧者を都市型遠隔診療で治療できれば、結果として脳卒中や心筋梗塞の発症が減り、医療費の削減にもつながるだろう。今回の実証研究でエビデンスを積み重ねることで、都市型遠隔診療でも一定の診療報酬を請求できるような法制度の改定も期待でき、医師が都市型遠隔診療を行うモチベーションにもなってくるはずだ。患者、医師、行政のそれぞれにとって経済性のあるものになることが重要だ」と述べている。

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