ニュース
耳ざわりに感じやすい音を低減した、モータ用良音質深溝玉軸受の量産開始:FAニュース
ジェイテクトは、「人が耳ざわりに感じやすい音」を抑えたモータ用良音質深溝玉軸受を開発し、量産を開始した。人の聴覚領域の中でも、耳ざわりと感じやすい領域音の低減に成功。モータなどの製品に組み込んだ状態でもこの効果が期待できるという。
ジェイテクトは2016年7月25日、回転時に発生する「人が耳ざわりに感じやすい音」を従来比で-5dB抑えた、モータ用良音質深溝玉軸受の量産を開始した。
軸受には「静かに耳ざわりなく回転する」機能が求められている。同社は、介護ロボットなど人間により近いところで軸受が使用される機会が増えること、またそれに伴って「音質・音性能」への関心が高まると予測した。振動や騒音に着目した従来の評価方法に加え、今回、ラウドネスの指標を用いて人の感覚を反映する音評価を導入。その評価を元に人が耳ざわりと感じる成分が少ない良音質深溝玉軸受を開発した。
軌道面(外輪の内側、内輪の外側で玉が接する部分)の性状を従来よりも滑らかに仕上げることで、人の聴覚で聴こえる領域(20〜2万Hz程度)の中でも、特によく聴こえ耳ざわりと感じやすい領域(1000〜5000Hz程度)の音を低減させることに成功した。モータなどの製品に組み込んだ状態でも、効果が期待できるという。
販売先は国内外の産業機械メーカーで、売上目標を年間10億円としている。
FAメルマガ 登録募集中!
FAニュースをはじめ、産業用ロボット、インダストリー4.0、PLCや産業用ネットワーク、制御システムセキュリティなど注目の話題をまとめてお届けしています。
ぜひ、メルマガ配信のご登録をお願い致します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 足し引き自在で効果は無限大! 金属3Dプリンタと切削加工の複合機投入が本格化
「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」で大きな見どころの1つとなったのが、工作機械と金属3Dプリンタの複合機だ。金属を「足す」3Dプリンタと金属を「引く」切削加工機が組み合わさることでモノづくり現場にどういう価値をもたらすのだろうか。 - 「日本で作って世界で勝つ」――オークマが“夢工場”で描く未来とは
工作機械大手のオークマは2013年、本社敷地内で新工場を稼働させた。「Dream Site 1」と名付けられた同工場は、部品加工から完成品まで一貫生産しIT活用による“見える化”を推進したスマートファクトリーだ。オークマは“夢工場”でどういう未来を描いているのか。現地を訪ねた。 - 世界1位の工作機械メーカーが目指すインダストリー4.0
ドイツの国家プロジェクトである「インダストリー4.0」を筆頭に、世界で生産革新への取り組みが進んでいる。こうした動きを、工作機械の世界シェアトップで、“日独連合”企業であるDMG森精機はどう捉えているのか。DMG森精機 代表取締役社長の森雅彦氏が同社の経営戦略について語った。 - 好況に沸く工作機械メーカーは盤石か!? 課題は営業力にあり
企業再生請負人が製造業の各産業について、業界構造的な問題点と今後の指針を解説する本連載。今回はリーマンショック前の勢いを取り戻しつつある日系工作機械メーカーの動向と課題について取り上げる。 - 微細加工は腕自慢じゃない。飯の種なんだ
設計者が通常、直接見る機会を得づらいだろう加工の現場を取材していく。自分の設計した部品が、いったいどのような方法で具現化されているのか、実感するためのヒント提供はもちろん、モノづくりの純粋な楽しさも伝えられれば幸いだ。(編集部)