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細胞加工プロセスシステムの提供企業を買収、細胞治療の産業化を主導:医療機器ニュース
GEヘルスケアは、再生医療および幹細胞バンク領域で実績を持つ、スイスのバイオセーフグループを買収した。これにより、総合的な細胞治療と再生医療事業を強化し、革新的な救命治療の提供を目指す。
GEヘルスケア(GE)は2016年7月20日、再生医療および幹細胞バンク領域で実績を持つ、スイスのバイオセーフグループ(バイオセーフ)を買収したと発表した。同買収により、総合的な細胞治療と再生医療事業を強化し、革新的な救命治療の提供を目指す。
細胞治療は、がんなどの困難な病気に対し、救命や治癒の可能性を持つ治療として注目を集めている。がんに対する細胞治療市場は、2030年までに300億ドルに達すると予想されている。
GEでは、2016年に細胞療法や再生医療分野への巨額投資を発表。同年4月に、細胞・遺伝子療法の製造とデジタル化を行う新会社を立ち上げるなど、業界およびパートナーと連携して、細胞・遺伝子治療用のツールやソリューション、サービスを完備したデジタル対応のエコシステムの開発・構築を進めている。
今回、細胞治療や再生医療産業用の総合的な細胞加工プロセスシステムを提供するバイオセーフを買収することで、がん治療への投資を加速させる。両社による補完的なビジネスモデルにより、製品開発およびカバーできる市場範囲が拡大され、多くの新しいタイプの細胞や治療法にGEの技術が活用されることになる。
また、両社が持つ生物学的・工学的強みと、産業における強みが結び付くことで、細胞治療の産業化を主導し、個別化医療のビジョンの実現を目指すとしている。
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