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ホームアシスタントデバイス「Google Home」は“どうやって”家族を手助けするかIoT観測所(23)(4/4 ページ)

2016年5月に発表された、Googleのホームアシスタントデバイス「Google Home」。Amazon Echo対抗と目されるが、同じくGoogleの「Project Brillo」とも関連づけて考えるべきだろう。

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煩雑になる「タスク」への対応策

 HomeKitはこれに対する解決策として、「Name」や「Zone」、それに「Room」「Scene」といった概念を提案している。Nameは個別のデバイスに対してユニークな名前をつけられるもので、Zoneはある領域を示すもの(居間の中で「ソファの周り」とか「暖炉のそば」とか「トイレと浴室」など)、Roomは文字通り部屋である。Sceneは複数のZoneやRoomにまたがるデバイスをまとめて管理できる定義(「外出」「帰宅」)である。

 一度RoomなりZoneなりSceneなりを定義し、さらに個々のHomeKitデバイスをそれらへ割り当てる事で、SiriからそのRoomやZone、Sceneを指定して一気に管理ができるうになる、というものである。

 この設定をiCloudに保存すれば、他のiOS機器でもその設定を使って操作ができるようになる「はず」(筆者はこれを試せる環境を持ち合わせていない)だが、この登録の手順そのものは、あまり便利とは言いがたい。一方、AllJoynはGroupingの概念を持ち合わせていることは明記されているのだが、最終製品では具体的にどんな形でこれを利用できるのかがいまひとつはっきりしない。


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Photo10:2016年5月に開催されたNXP FTFの会場展示より。i.MX6を搭載したPico i.MX 6ULボード上でBrilloを動かし、Weaveを使って通信するというデモ

 ではGoogle Homeは?というと、これはProject Brilloを補完するものになることは間違いない。照明やサーモスタット(Photo07からも分かる通り、Alphabet傘下のNESTのものだからだ)はいずれもBrilloで接続されている。

 2015年の段階では、Brilloベースのデバイスの操作はこんな感じで、「取りあえず出来ます」という以上のものではなかったが、このBrilloの上位層としてGoogle Homeが全体をマネジメントすることで、より使いやすい環境が実現することになる。

 Project Brilloのほうは相変わらず招待制ということで進み具合があまり公開されていないのだが、既にBrilloやWeaveに対応したキットなども展示され始めており(Photo10〜12)、2016年中とされるGoogle Homeの登場時には、対応した製品が登場するのかもしれない。

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Photo11:ボードそのものはTechNexionが製造販売するもの。中央に乗っているものがPico i.MX6 ULである
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Photo12:こちらがデモ中のもの。キャリアボード上にはMikroElektronikaのAir quality clickが搭載されており、これで空気の状態を取得してWeave経由で結果をAndroidスマートフォンに送る

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