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混迷するスマートホーム市場、Amazonが静かに存在感を高める3つの理由(1/4 ページ)

家電見本市「CES」において、Panasonicの参入も発表された「スマートホーム」は大きな話題の1つだった。しかしCES不参加の企業が静かにその存在感を増している。Amazonだ。

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 毎年米ラスベガスで年始に開催される家電見本市「CES」。2016年の会場においても、「スマートホーム」は主役の1つであったといえる。

 ただしスマートホームの概念は1980年代より提唱されており、時代の流れとともにその定義は少しずつ変わっている。これまで家電メーカーや通信事業者、電力会社などが主導していた「スマートホーム」は自社またはパートナー企業の製品群のみで構成しなければならなかったこともあり普及には至っていない。

「スマートホーム」概念の変化
「スマートホーム」概念の変化

 しかし、2014年のGoogle「Nest」登場により状況は大きく変化した。

 Nestはさまざまな企業がスマートホーム分野に参入できるようにするためのオープンな「プラットフォーム」を構築した。その結果、あらゆる企業がそのプラットフォームに参画し、他企業の機器が連携して動作するようになった(関連記事:「家」を変えたサーモスタット「Nest」)。

 ただ、同様のプラットフォーム戦略で参入してきた企業は他にも多く存在することから、どこが主導権を取るのかが論点となっている。そして2016年にもその乱立状態の中に加わるべく、日系企業からも新たなプラットフォームが発表された。本稿ではCES 2016に見るスマートホームの現状について紹介する。

Panasonicが新たに発表したスマートホームプラットフォーム

 Panasonicは2013年のCESプレスカンファレンスでB2B向けビジネスへの転換を発表しているが、3年を経たプレスカンファレンスで大々的に発表されたのが、新たなスマートホームプラットフォームだった。

 具体的な内容について見てみよう。今回、Panasonicは北米市場向けにホームモニタリングシステム「ORA」を発表した。「ORA」の主要な機能は、家庭内の電力使用量をモニタリング、居住者の生活パターンを学習し最適な環境の整備、スマートフォン経由でドアの施錠/解錠や照明・空調のコントロール、といったように、これまでNestやSamsung、iControlなどさまざまな企業が展開してきたスマートホームソリューションと大きく変わらないというのが筆者の印象だ。

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米PanasonicがCES 2016で発表した、スマートホームプラットフォーム「Ora」

 PanasonicはORAよりも前からDIY型のスマートホームソリューションを展開している。これはPanasonicが用意している機器をハブと接続して窓や水漏れなどの異常を検知した際に居住者に通知するというものだ。

 今回のCESでは新たにHoneywellとの提携を発表した。PanasonicがこのDIY型スマートホームソリューションとサードパーティー製品を連動させるのは初めてのことであり、今後はさらにこのような提携を広めていくとしている。

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 2015年にドイツで開催された家電見本市「IFA」では、保険会社のAllianzとの提携を発表していた。これは、このDIY型スマートホームソリューションのセンサーが家庭内の異常を検知すると、居住者のスマートフォンに通知するだけではなく、Allianzにも同じく通知が行われるものだ。

 最終的には、通知を受けたAllianzが状況に応じた措置を取るというもので、「かゆいところに手が届く」サービスとしてスマートホームの意義を見いだした印象を受けたが、今回のCESで行われた発表は残念ながらそのような趣旨のものではなかった。

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