ホームアシスタントデバイス「Google Home」は“どうやって”家族を手助けするか:IoT観測所(23)(2/4 ページ)
2016年5月に発表された、Googleのホームアシスタントデバイス「Google Home」。Amazon Echo対抗と目されるが、同じくGoogleの「Project Brillo」とも関連づけて考えるべきだろう。
その次の話は何か?というと、Task I/Fである(Photo06)。
スライドでは“Manage everyday tasks effortlessly”(毎日の作業を簡単に)と題されているが、ここでのGoogle Homeは自然言語による対話型アシスタントであるGoogle Assistantを利用するためのフロントエンドとして機能することを指す。
基調講演の映像で言えば24分から26分5秒あたりまでの2分ほどの短いくだりだが、
- (1)朝起きたお父さんが、全ての部屋に目覚まし音楽を鳴らすように指示
- (2)出発の支度しているお母さんが飛行機の運行状況を確認
- (3)お母さんがディナーの予約を30分後ろにズラす
- (4)ズラした予定をメールする
- (5)お父さんが息子の部屋の照明をオンにさせる
- (6)お母さんが荷物の発送状況を確認
- (7)お父さんが道路渋滞の状況を確認
- (8)息子が戸締りのあいさつ
といったイベントが盛り込まれている(次に触れるAsk Google関連のイベントは除いている)。
このうち、(2)(3)(4)(6)(7)に関しては、Google AssistantとGoogleのサービス、更にはパートナー企業のサービスとの連携という話であり、これはこれで面白いのだが、今回の本題ではない。今回取り上げたいのは(1)(5)(8)である。
このうち(1)に関しては、先に説明したPhoto04に関係し、複数の部屋に置かれたスピーカーにキャスティングするという話である。ただしお父さんが“OK Google, Play music to all rooms”と言うだけで全ての部屋で音楽を再生できるようになる、という点がミソである。
(5)はやはりお父さんが“Hey Google, Turn on lights on Kevin's room”と指示すると息子の部屋の照明がオンになるという、仕組みとしては(1)に近いものである。
最後が分かりにくいかもしれないが、いったん玄関を出た後で息子が戻ってきて、“OK Google, Good bye”と言うと、サーモスタットが自動的に留守に向けた省エネモードに切り替わる(Photo07)様子が示されている。
3つ目がAsk Googleである。これはAndroid端末で実現されている音声検索をそのまま実装したものである。声で質問すれば声で答えてくれるし、場合によっては連動するディスプレイで検索結果を表示というシナリオも示された(Photo08、09)。
関連キーワード
Google Home | Project Brillo | Google Assistant | HomeKit | Weave | AllJoyn | Amazon Echo | IoT観測所
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Google「Project Brillo」はどこまでApple「HomeKit」と派手に戦う?
Google「Project Brillo」はApple「HomeKit」の対抗馬と目される、家庭向けIoTプラットフォームであり、まだ不明点が多いものの対象の重複はほぼ間違いない。先行するHomeKitに対しどれだけ派手に戦う気か、考察する。 - 混迷するスマートホーム市場、Amazonが静かに存在感を高める3つの理由
家電見本市「CES」において、Panasonicの参入も発表された「スマートホーム」は大きな話題の1つだった。しかしCES不参加の企業が静かにその存在感を増している。Amazonだ。 - 戦場はリビングルーム、音声アシスタントを巡る競争で日本勢に遅れ
いわゆる「スマートホーム」を目指す各社の取り組みで、AppleやGoogle、Microsoftなどが注目しているのが、音声コントロールだ。「Amazon Echo」や「Nest」「Homekit」などで欧米各社が実用化に向けて走り出す中、日本企業は出遅れているとの声がある。 - 「Project Brillo」に見るGoogleのIoT戦略
「Android@Home」の夢を再び。「Nest」を送り出したGoogleは家庭内にそのターゲットを定め、「Project Brillo」を投入する。Amazonの「Amazon Echo」やApple「Homekit」とリビングのIoTを巡る争いが過熱しつつある。 - 「家」を変えたサーモスタット「Nest」
自由度の高さ故にカタチが見えにくい「IoT(Internet of Things)」だが、取り組みが進んだ今、各社の将来像が見えてきた。本稿では前編として、IoTの1つの目標として見えてきたスマートホームについて、Nestの事例を通じて解説する。