設計資産活用に新提案、ディープラーニングで紙図面をアーカイブ:DMS2016
プリマジェストは、「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」において、製品設計に使用した紙の図面をディープラーニングで自動分類する技術を紹介した。
プリマジェストは、「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」(2016年6月22〜24日、東京ビッグサイト)において、製品設計に使用した紙の図面をディープラーニングで自動分類する技術を紹介した。製品化時期は未定だが「来場者や今後の反響をみて決めたい」(同社の説明員)としている。
同社は、OCR(光学文字認識)による紙文書のデジタルデータ変換の技術に強みを持つ企業だ。このOCR技術を基に、製造業の設計部門が資産として蓄積してきた大量の紙の図面をデジタルアーカイブとして活用できるようにするのが今回の技術である。
紙の図面上にある情報は図面だけではない。図面の注釈や、関連するデータを並べた表なども1枚の紙にまとめられている。プリマジェストは、紙図面のスキャンイメージから図版と表のブロックを判定し、これらのブロック単位でOCR処理をして文字を抽出できるようにした。そして、図面の縮小画像と抽出した文字からディープラーニングを行い、自動分類のためのニューラルネットワークを構築。図面種別をベクトル化して、そのベクトルの類似度によって自動分類する仕組みになっている。
自動分類にディープラーニングを使うのは、企業や部署ごとに図面の書き方のルールが異なるからだ。「そういったローカルルールを理解した上で図面を分類できるのは、これまでは人間だけだった。しかしディープラーニングを活用すれば、スキャンするだけで自動分類できるようになる」(同社の説明員)という。
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