「柔らかい産業用ドローン」がスタジアムを舞う
ドローンとバルーン、2つの無人機の“いいとこ取り”を目指した産業用ドローンをパナソニックが「先端コンテンツ技術展」に出展している。
ヘリウム風船を使った“柔らかいドローン”をパナソニックが「第2回 先端コンテンツ技術展」(2016年6月29日〜7月1日、東京ビッグサイト)に参考出展している。
スタジアムやライブ会場で上空を飛びながら搭載したカメラで観客やステージを撮影する他、ドローン本体をプロジェクターのスクリーンにしてメッセージを発するといった使い方を想定する。
同じ無人の飛行物体としても、ドローン(マルチコプター)とバルーンはそれぞれ相反する特性を持つ。ドローンは高い機動性を持つが稼働時間は短く、落下時に地表(人)へ与える危険性も高い。バルーンは柔らかい風船が主体となるため比較すると落下時の危険性は低く稼働時間は長いが、機動性は低い。
参考出展されたこの柔らかいドローン「バルーンカム」は、ドローンとバルーン、双方の長所を備えるべく開発されたもので、直系約3.5メートル、厚さ約1.5メートルのヘリウム風船に4基のプロペラを搭載する。本体下部中央にはカメラなどの機材を搭載することができる。展示機の搭載可能重量は約2キロとなっている。
バルーン内部に埋め込むよう設置されたプロペラが発生させた気流は整流板によって向きを制御され、この4つの気流によって本体は自由自在に動く。最長飛行時間は約1時間だ。
現在は屋内での使用を想定するためGPSは搭載しておらず、ラジコン飛行船と同様の有人操作によって飛行する。なおヘリウム風船の浮力は本体重量(約8キロ)をやや下回るように設定されており、万が一制御を失った際には“ふんわり”着地するようになっている。
「バルーンカム」という名称からは空撮用途が主になるように思えるが、屋内における上方視点撮影にはスパイダーカムやリモートカメラといった代替手段がある。同社では空撮手段としてはもちろん、演出の一環としての利用も探りながら製品化を検討するとしている。
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