フルスクラッチと比べてコスト半減、業務システムを一元管理する「AppSQUARE」:製造ITニュース(2/2 ページ)
日立ソリューションズ東日本は、「Excel」に代表される表計算ソフトなどを用いて部門独自に構築していた業務システムを、同一システム上に統合し、業務データと業務プロセスを併せた形で一元管理する業務アプリ構築プラットフォーム「AppSQUARE(アップスクエア)」を発表した。
複数企業が採用を決定
AppSQUAREの主な特徴は4つある。1つ目は、簡単な操作で業務にフィットする業務アプリを作成できることだ。シンプルなマウス操作で作成できるので、情報システム部門やSIヤーに依存せず、業務部門側で作成やメンテナンスを行える。
2つ目は業務と役割に応じた情報の見せ方を定義できる点になる。例えば、1つの業務プロセスでも役割に応じたフォーム画面を作成できるため、表計算ソフトなどで自部門管理していた情報も複数部門に関わる情報と併せてAppSQUAREに一元化できる。さらに、自部門に必要な情報だけをフォーム画面に表示できるので作業効率も向上できるという。
3つ目は、Web APIであるRESTful APIによる柔軟なシステム連携と追加機能開発である。これまで利用してきた各種システムを、AppSQUARE上で業務アプリとして作成し一元管理することにより保守コストの低減も可能になる。AppSQUAREでアプリ作成が難しい場合も、RESTful APIによるデータ連携や、個別の追加機能開発によって一元集約が可能になる・
そして4つ目は、業務テンプレートを活用した業務システム向けの早期立ち上げになる。製造業設計業務向け設計レビューポイント管理、医薬業向け医薬品情報管理、IT業向け懸案・課題管理、住宅・建設業向け契約文書管理など、さまざまな業務テンプレートを提供していく予定だ。
また、開発負担も大幅に低減できることも魅力だ。同社の試算によれば、フルスクラッチで複数の業務システムを統合するのと比べて、AppSQUAREを用いると全体コストが2分の1になり、開発期間も3分の2になるという。
既に幾つかの企業がAppSQUAREの採用を決めている。ジェネリック医薬品大手の沢井製薬や、大手通信メーカー、大手化粧品メーカーなどだ。
なお、日立ソリューションズ東日本は、「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」(2016年6月22〜24日、東京ビッグサイト)において、AppSQUAREを紹介する予定だ。
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