ニュース
産業用オンデマンド生産ネットワークの実現に向け、協業を発表:製造IT導入事例
SAP SEは、暫定的に利用していた産業用3Dプリンティングを、注文から生産・配送までのシームレスなオンデマンド生産プロセスに変革するため、米総合物流王手のUPSと協業することに合意した。
SAPジャパンは2016年6月1日、SAP SEが、暫定的に利用していた産業用3Dプリンティングを注文から生産・配送までのシームレスなオンデマンド生産プロセスに変革するため、米総合物流王手のUPSと協業することに合意したと発表した。
両社は、SAPの拡張サプライチェーンソリューションを、UPSの産業向け付加生産およびロジスティクスネットワークと統合する予定。これにより企業は、ボタン操作だけで簡単にオンデマンド生産が可能になるという。
また、両社がそれぞれ保有するソリューション全体で協業し、オンデマンド生産における重要な要素の実現を目指す。具体的には、SAPを使った生産部品承認プロセスのデジタル化/シンプル化、3Dプリンティングによる発生コストの定量可視化の自動化を進める。
さらに、午後6時までに送られた注文を明朝までに生産し、米国内のどこにでも配達するUPSのハブ空港での生産の仕組みを利用し、SAPのソフトウェアシステムから企業がオーダーを直接追跡できることを目指すという。
SAPでは、今回の連携により、「直接的なデジタル生産と、工場からユーザーまでをつなげる、産業用オンデマンド生産ネットワークを実現できる」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 脱“指示待ち”へ、エッジが自律する完全自動化ラインを出展したSAP
SAPは、ハノーバーメッセ2016において、個別のデザインのキーホルダーを完全自動生産するデモラインを出展。産業用ロボットなど汎用製品の組み合わせで実現した他、MESの指示を毎回取得するのではなくエッジを完全に自律化させ、高速作業が可能となった様子を示した。 - SAPはインダストリー4.0でどういう役割を果たすのか
ドイツが国家プロジェクトとして取り組むモノづくり革新「インダストリー4.0」。そのバックボーンとなるITシステムで研究の中心的な役割を担っているのがドイツのSAPだ。同社でインダストリー4.0および、IoT(モノのインターネット)への取り組みを統括するIoT市場戦略共同責任者であるニルス・ハーツバーグ氏に話を聞いた。 - モノづくりIT化の基礎情報ガイダンス
そろそろモノづくりの仕組みをIT化しないとマズイ! そんな危機感はありつつも、どこからどう手を付けたらいいのか、自社の戦略とマッチした製品は何か、などなど、謎だらけだ。セールストークにだまされた気分にならないためにも、事前にしっかり準備しておこう。 - SAPが初のウェアラブル端末用アプリを提供、倉庫のピッキングや機械保守を支援
SAPジャパンは、ウェアラブル端末の利用を実現するための拡張現実(AR)モバイルアプリケーションを新たに提供することを発表した。 - 13の力を1つの大きな力に――総合力発揮のために旭化成が選んだERPシステム統合
「1つの旭化成」を実現するために13あったERPを1つに統合することを選んだ――。SAPジャパンのユーザーイベント「SAP Forum Tokyo」では、旭化成が現在進行中のERPの統合プロジェクトについて紹介した。