脱“指示待ち”へ、エッジが自律する完全自動化ラインを出展したSAP:ハノーバーメッセ2016(1/2 ページ)
SAPは、ハノーバーメッセ2016において、個別のデザインのキーホルダーを完全自動生産するデモラインを出展。産業用ロボットなど汎用製品の組み合わせで実現した他、MESの指示を毎回取得するのではなくエッジを完全に自律化させ、高速作業が可能となった様子を示した。
SAPはハノーバーメッセ2016(2016年4月25〜29日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、個別のデザインのキーホルダーを完全自動生産するデモラインを出展。産業用ロボットなど汎用製品の組み合わせで実現した他、MESの指示を毎回取得するのではなくエッジを完全に自律化させ、高速作業が可能となった様子を示した。
SAPがハノーバーメッセ2016でインダストリー4.0の実践事例として示した生産デモラインは、汎用製品や「OPC-UA」などのオープン技術を組み合わせて構築された自動化ラインだ。
2台の産業用ロボットと、ベッコフのリニア搬送システム「XTS(eXtended Transport System)※)」を組み合わせ、個別注文されたデザインのキーホルダーを製造する。キーホルダーは、中身に印字をし、色に応じた数種類のカバーのどれかと組み合わせて、組み立て、最終的な製品に仕上げる。それぞれの工程で検査なども行う。
※)驚くほどの小型化が可能に――ベッコフのリニア搬送システム
XTSによる搬送ラインを、製造用の「Mライン」、産業用ロボット1台の周囲を回る「Aライン」と「Bライン」の3つ用意。XTSは、搬送の高速動作とともに、可動子の個別で高精度の制御が行えることが特徴となっている。同自動化ラインはこの個別制御の能力を生かしたものだ。作業の内容は以下のような形だ。
- キーホルダーの中身をピックアップしてBラインに載せ、Bラインの産業用ロボットが印字を行う。
- Aラインでは、注文に応じたカバーを産業用ロボットがMラインの所定の可動子に載せる
- Mラインを流れてきたカバーがBラインに到達し、Bラインの産業用ロボットが画像検査などを行いながら印字した中身を所定のカバーに載せてはめ込む
- Mラインを回ってきた完成品を最後にAラインの産業用ロボットを使って検査し、不具合品などを除く
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