ニュース
除染除去物の定期点検をドローンで、「実用レベルで日本初」の規模
福島県南相馬市で行われいる除染作業で発生した除染除去物、その監視にドローンが利用される。1箇所3000平方メートルの置き場を上空から監視、置き場は160箇所まで増える予定。
エアロセンスは2016年6月14日、福島県南相馬市で行われている除染事業において、ドローンを利用しての点検業務を開始したと発表した。およそ1年間に渡り、上空から除染除去物の監視を行う。
福島県南相馬市にて、竹中工務店、竹中土木、安藤ハザマ、千代田テクノルが構成する共同企業体が行っている除染事業で発生した除染除去物は、市内各所の置き場に格納され、通気性防水シートで覆われる。
シートは経年劣化や鳥獣被害を受けてしまうために目視点検が必要であり、ドローンが上空から点検を行う。シートで覆われた区画の広さは1つ約3000平方メートル、最終的にはこの区画が160箇所まで増える計画となっており、この規模をドローンが定期運行して業務にあたるのは「実用レベルで日本初」(同社)だという。
産業レベルにおけるドローンの利用分野としては、物流や災害対応、測量、監視などが検討されているが、中でも測量や監視といったカメラを搭載してのアプリケーションが有望視されている。数社が既に参入を表明しており、エアロセンスもその中の1社だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- エンルートとJapan Drones、産業用ドローンで提携
エンルートとJapan Dronesが、産業用ドローン向けソリューションの共同開発について合意。農業や警備などに向けたシステムを構築し、海外展開も狙う。 - ドローンの編隊がAIで要救助者を発見、2016年内の実用化目指す
産業用ドローンの開発販売を手掛けるスカイロボットは、富士山麓にて人工知能を搭載したドローンを利用したレスキューシステム「TDRS」の実証実験を行う。システムの特許は取得済みで、2016年内の実用化を目指す。 - 東京ドーム19個分の土量測量を3分の1の工期で、産業用ドローン活用
エアロセンスが岩手県南三陸町の震災復興作業現場に産業用ドローンを投入。従来工法比3分の1という短期間での造成図作成と土量測定を完了したと発表した。 - 上空1000メートルの高層気象観測をドローンで
日本気象協会が、京都大学 防災研究所と共同で実施していたドローンによる高層気象観測技術の研究結果を発表した。上空1000mの高層観測にも有効性が認められ、将来的には火山ガスや大気汚染の観測にも利用できる可能性が示された。 - テラモーターズがドローン測量の新会社「計測時間を10分の1、コストを5分の1」に
電動バイクの開発販売を手掛けるテラモーターズが、産業用ドローンによる土木測量サービスを提供する新会社「テラドローン」を設立した。±5センチの高精度と「計測時間を10分の1、コストを5分の1に低減」をアピールする。