世界初の6速MT搭載ハイブリッド車、ホンダ「CR-Z」が2016年内で生産終了:エコカー技術
ホンダは、スポーツタイプのハイブリッド車「CR-Z」の生産を2016年内で終了すると発表した。これにあわせて「感謝の気持ちを込めた特別なモデル」(ホンダ)として特別仕様車を発売する。
ホンダは2016年6月9日、スポーツタイプのハイブリッド車「CR-Z」の生産を2016年内で終了すると発表した。これにあわせて「感謝の気持ちを込めた特別なモデル」(ホンダ)として特別仕様車を発売する。
運転の醍醐味をハイブリッド車に
CR-Zは“運転の醍醐味を味わえるハイブリッド車をつくる”という趣旨の下で開発、2010年2月に発売した。当初の月販目標は1000台で、現在までに累計4万台を販売した。
2010年発売時のパワートレインは排気量1.5l(リットル)のi-VTECエンジンと「IMA(インテグレーテッド・モーターアシスト)」を組み合わせたハイブリッドシステムだ。エンジンは車両の低全高フォルムを実現するために排気量1.3lエンジンと同等の高さに抑えた。モーターは最高出力が10kw(1500rpm)、最大トルク78Nm(1000rpm)で、小型化を図ったニッケル水素電池やパワーコントロールユニットで駆動する。
ハイブリッドシステムは2012年のマイナーチェンジでリチウムイオン電池に変更するなど改良を加えた。
トランスミッションは、ハイブリッドシステム向けに専用設計とした6速MTと、パドルシフトで7段のマニュアル変速ができるCVTの2種類を用意した。ハイブリッド車として世界初の6速MTだとしている。JC08モード燃費は6速MT車で20.6km/l、CVT車で23.0km/lだ。
3種類の運転モードが設定されており、運転の楽しさから実用燃費の向上までドライバーが目的に合わせて選択できるようにした。エンジンのレスポンスを高めたスポーツモードでは、6速MTモデルはモーターアシストのレスポンスを向上、CVTモデルはエンジン回転数が高めになる変速比で加速感を強調する。電動パワーステアリングの制御も運転モードに合わせて手応えや軽快さを調整している。
5台目の特別仕様車
CR-Zでは第5弾となる最後の特別仕様車「CR-Z Final label」は、黒を基調としたインテリアや、専用マット塗装の軽量アルミホイールを採用。シート、ドアアームレスト、ステアリングガーニッシュなどが黒で統一される。シートやコンソールにはCR-Z Final labelのロゴも配する。ボディカラーは特別色の「ブリリアントスポーティブルー・メタリック」を加えた全5色。税込みメーカー小売希望価格は6速MTモデル、CVTモデルともに280万円。
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