産業用機器向けの設備資産管理ソリューションを発表:製造ITニュース
GEデジタルは、産業用機器向けの設備資産管理(APM)ソリューションを発表した。GEのPredixプラットフォーム上で稼働する、初の商用アプリケーションで、事業者は設備資産の信頼性、可用性向上のため、ビッグデータの分析技術を利用できる。
GEデジタルは2016年4月25日、アセット・パフォーマンス・マネジメント(APM:設備資産管理)ソリューションを発表した。
従来のAPMは、設備資産を監視し保守するために、異なるベンダーから提供されるソリューションを統合する必要があった。また、装置の稼働状況や保守の履歴が分かったとしても、ビッグデータ技術を活用して膨大な診断データを分析することや、機器の問題を予知・防止することは困難だった。
今回発表されたソリューションは、GEが開発した産業向けクラウドベースのプラットフォーム「Predix」上で稼働する、最初の商用アプリケーションとなるものだ。事業者は設備資産の信頼性、可用性を向上させるために、ビッグデータとクラウドベースの分析技術を利用することができる。総所有コスト(TCO)の最小化が図られ、どこの製品かに関わらず、設備資産の運用リスクが低減できる。
同ソリューションは3種のAPMソリューションから構成されている。「Machine and Equipment Health」は設備資産を統一して視覚化でき、多層化された装置の稼働状況を把握することができる。「Reliability Management」は、設備資産の状態に関する「情報源」となって、装置が問題を起こす予兆を発見し、予期しないダウンタイムを防ぐ。また「Maintenance Optimizer」は、長期保守計画の構築に役立つもので、2016年後半に発売が予定されている。
さらにGEでは、GEデジタルの「Brilliant Manufacturing Software Suite」初の商用可能なモジュールとなる「Efficiency Analyzer」を発表した。同モジュールの利用により、企業は製造時に生成されるビッグデータを活用し、市場ニーズを把握して生産に反映させるまでのリードタイムを短縮できる。さらに操業状態を可視化し、歩留まりを改善することで装置のダウンタイムが短縮し、スクラップや保守に要するコストの削減につながるという。
Efficiency Analyzerについては、SaaS価格モデルと、既存ITへの影響の最小化によって製造業者の認識を変える、新たな導入アプローチも提案している。
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