半年未満でスマートフォン向けARアプリを開発可能に、カギはプラットフォーム化:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
国連社は、サイバネットシステムやエルバホールディングスとともにAR(拡張現実)技術を活用したスマートフォン向けアプリを開発し、2016年冬からサービスの提供を開始する。サイバネットシステムのARアプリ向けのプラットフォームによって、開発コストを7〜8割低減するとともに、さまざまな用途のアプリでAR技術を利用しやすくした。
災害情報提供アプリ、AR絵本、薬局ナビ
2018年の日本国内のAR市場は、2011年比4.3倍の2820億円に拡大する見通しだ。スマートフォンが年代を問わず普及し、通信インフラの高速化/大容量化が進むなど、AR活用の環境が整ってきたのが背景にある。モバイルコマース、ゲーム、デジタルサイネージ、モバイルコンテンツ、観光、広告、教育など幅広い分野で市場が成長する見込みだ。
国連社らは2016年冬から災害情報提供アプリのサービスを開始する。任意の方角にスマートフォンのカメラを向けることで、実際の風景と台風などの気象情報を合成して表示する。また、避難場所がある位置なども、実際の風景と重ね合わせて確認できるようにする。
アプリはARマーカーとなる専用のカードと組み合わせて利用する。アプリは、カードを読み込むことでスマートフォンに搭載したGPSを基に位置情報を取得。スマートフォンのジャイロセンサーを利用してユーザーが向いている方角やスマートフォンを向けている方向を検知し、災害情報や避難場所の位置を適切に合成する。
アプリは多言語に対応し、日本人だけでなく外国人観光客でも利用できるようにする。専用のカードは無償で配布する予定だ。
この他にも、ARアプリに対応して読み上げや録音が可能な絵本や、必要な医薬品を購入する際に希望の薬局の商品棚まで誘導するナビゲーションアプリが披露された。
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