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SoC設計者がIPに関心を持つべきタイミングSYSTEM DESIGN JOURNAL(4/4 ページ)

SoCが自律走行車やIoTなどの分野に進出しようとしていますが、求められる要件は分野によって大きく異なります。その結果、SoC開発者がIP(Intellectual Property)を評価・統合する方法に変化が見られます。

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 全く新しい種類のIPに対するニーズもあるでしょう。CEA-Letiのシリコン・インパルス部門のプロジェクトリーダーであるOlivier Thomas氏は、IoTの境界固有の問題に対して同社が提供するIPについて説明しました。

 CEA-letiのシリコン・インパルス部門は変動の影響の拡大に対応するため、ボディ・バイアス・コントローラーブロックを開発しました。この小さなIPは、プロセス変動、動作電圧、ダイ温度、場合によってはチップ動作中のタイミング・スラックをモニタして電圧と周波数を動的に調整します。

 超低デューティサイクルバーストで効率的に動作するように最適化されたセンシングセル、エネルギーハーベスティングブロック、プロセッサもあります。Thomas氏は、「待機中の消費電力をピコワット単位に、検出動作中の消費電力をマイクロワット単位に引き下げることを目指しています」と述べています。

 多くのIoTエンドポイントにこのような新しい種類のIPが必要です。しかし、最初から実証されているものは比較的少ないでしょう。自らが生み出した不確実性にSoCベンダーがどう対応するかは、チップ設計者の選択を知る由もないアプリケーションの専門家が組み立てるケースが多いIoTシステムの性能と信頼性の両方に影響します。

新しい一連の課題

 運転者支援市場と自律走行車市場が複雑なSoCに門戸を開いたため、温度範囲の拡大、長期的な信頼性、機能安全性に対する新しい要件が生まれています。IoTの境界では、新しい動作電圧、新しいモード、および積極的な新しい省エネ機能が要求されています。

 SoC設計者は、これらの全てのニーズにより、以前は注目しなかったかもしれないIPの選択肢(ロジックファンクションやタイミングではなくIPブロックのパラメトリック特性とサイドチャネル特性が関係する選択肢)を考慮する必要があります。チップ設計者の決定は、SoCを使用するようになるシステムの品質、さらには受容性にも影響を及ぼします。システム設計者がIPに関する決定の幾つかにかかわる時期が到来しました。

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