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「大人」の人工知能が製造業を革新するのは2030年以降スマートファクトリー(2/2 ページ)

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2016年4月21日に会見を開き、今後の人工知能技術の進展と、その発展が産業分野にもたらす影響を予測した「次世代人工知能技術社会実装ビジョン」を公表した。

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「ものづくり」では「ロボットの知能化」が鍵に

 発表された4つの産業分野のうち、ものづくり分野への応用を見てみると、キーワードとなるのが「ロボットの知能化」だ。現在から2020年までの期間における例としては、深層学習と強化学習、認識技術などの向上により、産業用ロボットがバラ積みの部品をピッキングしたり、検品などを自動で行ったりするといった具体例が挙げられている(関連記事:熟練技術者のスキルを8時間で獲得、ファナックが機械学習ロボットを披露)。


モノづくり分野への適用予測(クリックで拡大)出典:NEDO

 2020〜2030年については、ロボットが文脈や背景知識を考慮した作業の実行や、自ら作業計画を立案するといった効果が期待できるとしている。その後2030年以降になると、より自律的にロボット(設備)が動作し、さらにそれぞれが設備稼働に関するデータをコピー・共有することで、企業間の枠を超えたモノづくりのリアルタイム予測や、全体最適化の実現が期待されるという。これはインダストリー4.0や、IoTを活用した製造革新の終着点といえる「マスカスタマイゼーション」の実現に相当するレベルといっていいだろう。

 平井氏は現在から2030年以降に向けた人工知能技術の進化とその効果の波及を「量と質の拡大だと考えている。2020年までは個別の問題を扱える程度だが、2020〜2030年は人間一人一人の仕事をサポートできるようになる。そして2030年以降は社会問題まで取りあつかえるようになる」と語った。また、人工知能の成長度を人に例えると「2020年までは幼児、2020〜2030年には小・中学生くらい、大人と呼べるまでに進化するのは2030年以降になるのではないか」としている。

 NEDOでは今回発表したビジョンを基に今後、産業界、学術界さまざまな方面と意見交換を進めてビジョンのブラッシュアップを進めるとともに、政府の人工知能技術戦略会議で議論される予定の人工知能の産業化のロードマップ策定にも貢献していくとしている。

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