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クリス・アンダーソン来日、「産業用ドローンの利益率は80%」(2/2 ページ)

「メイカーズ」などの著書で知られるクリス・アンダーソン氏が、DMM.Make AKIBAで講演を行った。主要なテーマになったのが、アンダーソン氏がCEOを務める3D Roboticsの主力製品であるドローンだ。

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「つまらないロボットこそ、いいロボット」

 アンダーソン氏は3D Roboticsの提供価値について「ハードウェアであるドローンそのものではない。ソフトウェアが重要だ。そして今後は、そのハードウェアとソフトウェアで取得したデータに移行していく」と言い切る。実際に、複雑な地形のデータなどがまとめられたスライドを見せながら「ここにはドローンは映っていない。ドローンで取得した地形データにこそ価値がある」(同氏)とする。

アンダーソン氏は「ドローンそのものではなく、ドローンで取得した地形データにこそ価値がある」と訴える
アンダーソン氏は「ドローンそのものではなく、ドローンで取得した地形データにこそ価値がある」と訴える(クリックで拡大)

 さらに重ねて「いい仕事をするとハードウェアは見えなくなる。例えば、私の祖父が発明したというスプリンクラーは良い例だ。一定のスケジュールで庭に水をまくがその姿は見えない。セキュリティカメラもそうだ。姿が見えない、ある意味つまらないロボット(boring robot)こそ、いいロボットではないか」(同氏)と持論を展開した。

 また、3D Roboticsがドローンの事業化を加速できている理由として、オープンイノベーションの枠組みを挙げた。アンダーソン氏は、Linux Foundationの傘下でドローンの基盤ソフトウェアを開発するプロジェクトDronecodeの立ち上げに尽力。2014年10月の設立から参加社数は急速に伸びており「ドローン大手では中国のDJI以外は加盟している」(同氏)。ほんの数日前に、Dronecodeジャパンが発足したことも付け加えた。

Dronecodeの参加企業Dronecodeによるソフトウェア構造 Dronecodeの参加企業(左)とDronecodeによるソフトウェア構造(右)。下層の基盤ソフトウェアをオープンイノベーションで開発している(クリックで拡大)

 現在のドローンは、人間が目視で確認しなければならないところを、人間に替わって行うという用途が多い。アンダーソン氏は、「ただし今後は、人間では見ることができないところで使われるようになる。そうなれば、既存のビジネスとも競合しないので大きく成長できる」と期待する。

 その例の1つとして挙げたのが精密農業(Precision Agriculture)だ。米国の大規模農業では、水まきや肥料/農薬の散布は均一に万遍なく行うのが一般的だ。これを、ドローンで状態管理し、必要なところへ必要な時に行えば、より効率よく質の高い農業を行えるといわけだ。

ドローンによる精密農業のイメージ
ドローンによる精密農業のイメージ(クリックで拡大)

 もう1つの例が、地球表面のより詳細な撮影である。「Google(グーグル)は取得したデータを価値として提供している企業だが、地球表面の撮影については、Google Earth向けの衛星による撮影と、Google Street Viewに使うクルマによる道路周辺の撮影という両極端になっている。ドローンによる撮影はこの間、“Missing Middle”をつなぐ手段になる」(同氏)とし、将来的には地球表面の撮影の多くをドローンが担うと主張した。

ドローンは、衛星とクルマの間にある“Missing Middle”をつなぐ手段になる将来的には地球表面の撮影の多くをドローンが担うという ドローンは、衛星とクルマの間にある“Missing Middle”をつなぐ手段になる(左)。将来的には地球表面の撮影の多くをドローンが担うという(右)(クリックで拡大)
アンダーソン氏は講演の終了後、DMM.Make AKIBAを利用するスタートアップ企業と交流していた
アンダーソン氏は講演の終了後、DMM.Make AKIBAを利用するスタートアップ企業と交流していた(クリックで拡大)

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