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クリス・アンダーソン来日、「産業用ドローンの利益率は80%」(1/2 ページ)

「メイカーズ」などの著書で知られるクリス・アンダーソン氏が、DMM.Make AKIBAで講演を行った。主要なテーマになったのが、アンダーソン氏がCEOを務める3D Roboticsの主力製品であるドローンだ。

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来日したクリス・アンダーソン氏
来日したクリス・アンダーソン氏

 2016年4月7日、「メイカーズ」などの著書で知られるクリス・アンダーソン氏が来日し、日本のメイカーズが集うDMM.Make AKIBA(東京都千代田区)を訪問し講演を行った。講演の主要なテーマになったのが、アンダーソン氏がCEOを務める3D Roboticsの主力製品であるドローンだ。

 まずアンダーソン氏は「メイカーズでは、誰もがモノを作れるようになったと訴えた。ここ(DMM.Make AKIBA)のような場所の存在によって、何かを始めることが容易になっているはずだ」と述べた。ただしモノを作るところから、その量産への移行は難しい。同氏は「現在は年間何万台ものドローンを販売する3D Roboticsだが、3年前にメキシコ人のティーンエイジャーと一緒に起業した時はお金もなくて大変だった」と思い起こす。

 製品開発には、DIY、コンシューマ、コマーシャルという3つの段階があるとアンダーソン氏は考えている。「DIYは誰でもできる段階でハードルは極めて低い。その次のコンシューマは民生用機器としての量産の段階になる。DIYよりハードルが少し上がるものの需要は大きい。現在の3D Roboticsはこの段階だ。ただし、需要が大きいこともあって競合社数が一気に増える。われわれは中国で量産しているが、その中国では400〜500社がドローンに参入しようとしている。このため、利益率が70%低下するといった事態にも見舞われる」(同氏)。

DIYとコンシューマ、コマーシャルという3つの段階での市場規模
DIYとコンシューマ、コマーシャルという3つの段階での市場規模。3D Roboticsが対象とするドローンの世界市場は、コンシューマ向けで急拡大し2016年に15億米ドルに達する見込み。コマーシャルの産業機器向けが伸びるのはもう少し先だが、ゴールドマンサックスの予測によれば206億米ドルまで伸びるという(クリックで拡大)

 3つ目のコマーシャルは、いわゆる産業用機器になる。ハードルはコンシューマより大幅に高くなるものの、そのおかげでコンシューマのような寡頭競争もなくなる。そしてクラウド接続などによる高機能化の他に、専門の営業部隊を設ける必要も出てくる。アンダーソン氏はこの製品開発の3つの段階について営業率を示した。「DIYは極めて低い。コンシューマは10%程度、そしてコマーシャルは80%に達する」(同氏)という。

DIYとコンシューマ、コマーシャルの3段階におけるドローンの違い
DIYとコンシューマ、コマーシャルの3段階におけるドローンの違い(クリックで拡大)

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