VOC300種類の放出量を抑え、シックハウス症候群を根本的に解決するパナホームの家:医療機器ニュース(2/2 ページ)
パナホームは、室内の空気に含まれる揮発性有機化合物(VOC)の濃度の基準を定めた国際認証「グリーンガード認証」を住宅としては世界で初めて取得した。シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物300種類を対象に使用する数十種類の建材や接着剤を見直した。コストは「売り値には影響しない範囲」(パナホーム)としている。
住宅では初のグリーンガード認証
これまで、海外のオフィスビルや学校などでグリーンガード認証を取得した例はあったが、ULが住宅向けにグリーンガード認証を発行するのはパナホームが2016年4月5日から発売する戸建て住宅のカサートが初めて。
今後施工する全ての住宅でグリーン認証に対応した測定を行うのは困難なため、グリーン認証に準拠した標準仕様となる建材や設計を定めた。「この標準仕様から大きく逸脱しない限りは、グリーンガード認証に対応したと見なして提供する」(パナホーム 戸建て事業企画部長 詫間伸氏)。今後はカサート以外の全ての戸建て住宅製品ラインアップにもグリーンガード認証に対応した標準仕様を応用していく。
カサートは、グリーンガード認証が定める揮発性有機化合物の総量が500μg/m3なのに対し「この半分程度まで総量を抑制することができた」(同氏)という。
パナホームでは、グリーンガード認証に対応するため数十種類の建材や接着剤を選定した。期間にして2年半を要したという。「濃度の高い有害物質を特定し、原因となる建材や接着剤を変更する形で室内全体の空気の質を追求した。何かの有害物質が減っても代替として使われている揮発性有機化合物が増えてしまうことがあり、時間がかかった」(パナホームの説明員)。
住宅向けの建築部材メーカーも揮発性有機化合物の放出が少ない製品開発に取り組んでいることもあり、グリーンガード認証に対応するコストは価格に影響しない範囲に抑えられた。カサートの税込み価格は、延べ床面積127.86m2で2階建て、太陽光発電と蓄電システムを含めた参考プランで2934万円。初年度の販売目標は4800棟を計画している。
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