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政府が自動運転開発方針を整理、2020年目標「ラストワンマイル自動運転」とは:自動運転技術(3/3 ページ)
国土交通省と経済産業省は、共同で実施している「自動走行ビジネス検討会」で取りまとめた、自動運転技術の競争力強化に向けた産官学の具体的な協調方針を発表した。2018年までに高速道路でレベル2の自動運転を実現し、2020年ごろからバレーパーキングや隊列走行を実用化する。これを目指し、8つの協調領域で産官学が連携する。
技術面、ビジネス面での課題
自動走行ビジネス検討会では、トラックの隊列走行/バレーパーキング/ラストワンマイル自動運転のそれぞれにある技術面、事業面の課題を整理した。
トラックの隊列走行は、車両の基本的な電子制御だけでなく、無人運転で先頭車両に追従する後続車両の扱いなども協調して取り組む技術課題となる。隊列走行に対する受容性向上もポイントとなる。
事業面では、運行形態から動態管理の方法、ドライバー教育までさまざまな課題が挙がった。既にワーキンググループには隊列走行のユーザーとなる運送事業者らが参加し、具体的な議論を始めている。
バレーパーキングは駐車場側のシステム構築や管制技術が技術面の取り組みのポイントとなる。また、効果の検証やバレーパーキングの事業性の確立も課題となる。バレーパーキング用の高精度地図の作製も協調して行う。
ラストワンマイル自動運転は自動運転専用レーンの走行を想定しているが、一般の道路が経路に含まれる場合は隊列走行とするため、トラックの隊列走行と共通の課題が発生する。また、移動サービスとして導入していく地域では、リスクとメリットを明確化し、導入の在り方の合意を形成していく必要があるとしている。
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