「1週間でIoT製品を世に出す方法」教えます:AllJoyn製品開発と認証の取得(5/5 ページ)
IoT製品の開発に関心を持つ人は多いと思いますが、「接続性の担保」はどう行うべきでしょうか。ここではAllJoynフレームワークを搭載したIoT製品の制作プロセスと、認証プロセスに焦点を当てて解説します。
AllJoynを選択する「理由」
現在のところ、MicrosoftのWindows 10やSurface Pro 3、それにLG Electronicsのテレビなどが認証を受けており、日本では販売されていませんがバッファローのWi-Fiルーター「AirStation 1900」(WXR-1900SHG-PA)もこの認証を受けています。
多くのWi-Fi機器を手掛けるバッファローはHEMSやEchonetなどでも機器間をつないできた実績があり、AllJoynについても日本で認証試験ラボが設立される以前の2015年12月、日本企業では第1号としてスペインのAT4 Wirelessで認証を受けました。
IoTのなかでは、さまざまな企業のさまざまな機器が相互接続され、収集されたデータを連携させることで価値を生むことが期待されます。バッファローは「ニュートラルであり、接続性が担保される」ゲートウェイを提供するため、AllJoyn認証を受けたと言います。加えて、「オープンソースベースでどんな企業でも分け隔てなく実装できること」「認証スキームが存在しており、接続性が保証されること」「大手電機メーカーが参加していること」などもAllJoynを選択した理由に挙げています。
このほか、家電や照明、オーディオ機器など、IoTを構成するさまざまな分野のデバイスが認証を受けており、その数は日々増え続けています(認証済み製品)。皆さんが作った製品が、認証を受けて、Surface ProやWindows 10との相互接続性が客観的に認められる製品になるなんて、夢がありますよね。
* 現在、AllSeen Allianceには180を超えるメンバー企業が参加し、IoT機器・サービス同士の使いやすい連携を実現するために取り組んでいます。このような企業が自社でAllJoyn動作確認をしたデバイスを含めると、現在市場には1億2千万を超えるAllJoyn対応製品があると発表されています(AllSeen Alliance Launches IoT Certification Program To Ensure Products Work Well Together)。
繰り返しになりますが、ここに至までの過程で皆さんが準備したものはなんだったでしょうか。皆さんの心血を注いだ製品と認証を受けるための若干の資金、この程度だったはずです。
ソフトウェアは大部分がオープンソースで公開されており、また認証を受けるために、高額なメンバーシップを払い、スペックを入手し、そのスペックに基づいて全部自分で実装するという必要はありません。
「Makers」という言葉は使うのが恥ずかしいくらい古くなってしまいましたが、オープンソースこそが、Makers時代の製品開発と標準化プロセスの新モデルであるといえるでしょう。さぁ、皆さんもAllSeen/AllJoynで週末製品開発しようじゃぁありませんか!
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