プライムな新型「プリウスPHV」は4人乗り、テスラばりの縦長タッチパネル搭載:ニューヨークモーターショー2016(2/2 ページ)
トヨタ自動車は、「ニューヨークモーターショー2016」において、プラグインハイブリッド車「プリウスPHV」の新モデルを初公開した。モーターを2個とも走行に利用できる「デュアルモータードライブシステム」を採用しEV走行距離も60km以上に引き上げた。2016年秋に日米欧で発売する。
プラグインハイブリッドシステムも大幅に進化
新型プリウスPHVのプラグインハイブリッドシステムは、4代目プリウスで改良されたハイブリッドシステム「リダクション機構付のTHSII」がベースになっている。しかし、現行のプリウスPHVでは、3代目プリウスのリダクション機構付のTHSIIをほぼそのまま使用していたのに対して、新型プリウスPHVではプラグインハイブリッド車にふさわしい性能を発揮できるようさらなる改良がくわえられている。
リダクション機構付のTHSIIは、発電機と走行用モーターという2つのモーターを持つことが特徴になっている。これまで発電機を走行用モーターとして利用することはできなかったが、新型プリウスPHVでは動力分割機構に一方向にのみ回転力を伝達するワンウェイクラッチを追加することで発電機を走行用モーターとして利用できるようになった。
このデュアルモータードライブシステムのモーターによる走行性能は、1モーターの場合は4代目プリウスと同じ最高出力53kW/最大トルク163Nmだが、発電機の最高出力23kW/最大トルク40Nmを使えば低速走行から追い越しを行う際のさらなる加速などが可能になる。モーターだけで走行する際の最高速度も時速100kmから時速135kmに向上した。
リチウムイオン電池パックの容量は8.8kWhで、現行のプリウスPHVのちょうど2倍となる。ただし小型軽量化によって荷室下部に収まるようになっている。4代目プリウスに大して荷室下面の上昇を77mmに抑えておりゴルフバッグを2個積載できる。JC08モードに基づくEV走行距離は、現行モデルの26.4kmから60km以上まで延長することを目標に開発を進めている。
先進性のシンボルとして、ダッシュボード中央に11.6インチサイズの縦型タッチパネルを持つ車載情報機器を設置した。大型で縦型のタッチパネルの車載情報機器といえば、Tesla Motors(テスラ)の電気自動車「モデルS」を思い起こさせる。この他、車両屋根部に太陽光発電パネルを搭載した。発電した電力は、12V系の電装システムの電源として利用できるだけでなく、リチウムイオン電池パックに充電することもできる。
「ミライ」と同じ4人乗りにした理由は?
新型プリウスPHVは、プリウスとは異なり4人乗りとなっている。これは燃料電池車「ミライ」と同じだ。「後席を2人掛けとし、中央に大型のコンソールを設けることで、ゆったりとくつろげるほどよいパーソナル感を生み出せる」(トヨタ自動車)としている。
ただし後席床下の中央に組み込まれている充電器の存在が、後席に3人が座ることができない理由になっている可能性もある。
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