「国内ユーザーの半数は製造業」、マイクロソフトのERPがクラウド化:製造ITニュース(2/2 ページ)
日本マイクロソフトがクラウドベースのERP「Microsoft Dynamics AX クラウド」を発表。クラウド「Microsoft Azure」上でERPの全機能を利用できるようにするとともに、ライセンス形態をユーザー単位の月額課金となるサブスクリプションモデルに変更した。
プロセス系の製造業が広く採用、ブリヂストンや積水化学工業など
グローバルのユーザー数が200万〜300万というDynamics AXは、製造業にも広く採用されているERPだ。日本マイクロソフト Dynamics ビジネス統括本部 Dynamics BG シニアプロダクトマネージャーの杉本奈緒子氏は「国内のDynamics AXユーザーのうち半数を製造業が占める。特にプロセス系の製造業で採用されており、主なユーザー企業にはブリヂストン、積水化学工業、JFEスチール、伊藤忠製糖などがある」と強調する。
Dynamics AX クラウドは世界10社で先行評価が行われた。それらのうちの1社が国内で「Soup Stock Tokyo」などを展開する小売業のスマイルズだ。同社経営企画本部 情報システム部 副部長の佐藤一志氏は「1パッケージにERPの機能が全部入りになっていること、標準APIで他のWebサービスや既存システム、POSなどと連携がとれ、さまざまなカスタマイズ開発を短時間で試せることは、小規模企業が導入する上でメリットは大きい」と語る。佐藤氏によれば、1回のカスタマイズ開発に掛かる時間は30分程度で済むという。
またセンサーデータとの連携についても言及した。「Cisco Systemsの『Meraki』との連携で、ネットワークのアクセスポイントをリピーターを検知するセンサーとして利用することなどを検討している」(同氏)。
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