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「守り」から「攻め」に変化する監視カメラ、その展望と課題(2/2 ページ)
監視カメラはネットワーク対応によって、その役割は単純な監視用途から「映像によるセンシングデバイス」「IoTにおけるエンドデバイス」に姿を変えつつある。その際に浮上する課題とは何か。
組み込み機器の監視カメラにも、サーバ同等のセキュリティを
前述したよう、監視カメラで撮影された映像は情報の宝庫だ。それだからこそ、その扱いには慎重を期するべきであり、SECURITY SHOWの会場で監視カメラや画像解析ソリューションの複数ベンダーに話を聞いた限り、POSやCRMとの連携が技術的に可能であっても、「個人を特定できないようにして、統計情報として利用する」というのが共通する各社のスタンスであるようだ。
ただ、各ベンダーのスタンスとは別に、監視カメラのネットワーク化によって、危険性が増大していることも事実である。不正侵入による監視カメラシステムの停止はもちろん、監視カメラを踏み台にしての攻撃、監視映像の持ち出し/改ざんといった危険性を挙げることができる。
パナソニックでは「組み込み機器である監視カメラでも、PCやサーバと同レベルの防御と対策が必要になる」と警鐘を鳴らすが、同社ではシマンテックとの協業の元、第三者機関証明書の製造時インストールや撮影時のデータ暗号化などの手段で対応していくとしている。
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