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今の生産性で戦えるか、再確認したい現場改善の“視点と考え方”:実践! IE;磐石モノづくりの革新的原価低減手法(10)(7/7 ページ)
革新的な原価低減を推進していくための考え方や手法について解説する「磐石モノづくりの革新的原価低減手法」ですが、今回は「強い現場体質づくり」に向けた考え方、目の付け所について解説していきます。
3.3 ボトルネック工程への対処ステップ
- ステップ1……ボトルネック工程がどこかを見つける
- ステップ2……ボトルネック工程をフル稼働させることを考える。ボトルネック工程の稼働率を調べ、停止原因を対策し、稼働率を100% に限りなく近づけていく。また、ボトルネック工程に必要最小限の仕掛かりを置き、稼働停止を避ける。ちなみに、この仕掛かり量をゼロにしてしまうと、稼働率を100% に近づけることはできない
- ステップ3……ボトルネック工程以外の全ての工程を、ボトルネック工程に従わせる。ボトルネック工程の生産進度に合わせて稼働させ、過剰な仕掛かり在庫が発生しないように注意する。例えば、ボトルネック工程の前後工程の設備を多数台持ちや多工程持ちにすることで、作業人員を減らして生産スピードを落とす(ボトルネック工程の生産速度に合わせる)ことも、改善である
- ステップ4……ボトルネック工程の能力を高める。改善策としては、他の工程との助け合いを行うことで、ボトルネック工程の作業負担を軽減するか、改善によりボトルネック工程そのものの生産能力を高める
- ステップ5……ボトルネック工程は、常に変化と移動することを忘れてはならない。ボトルネック工程以外の工程が、何らかの理由により生産能力が低下したした場合も、ボトルネック工程が移動したことになる。
- ステップ6……ボトルネック工程が解消されたら“ステップ1”に戻る
◇ ◇ ◇ ◇
排除すべきムダの対象を手近なところで「七つのムダ」というとらえ方で理解しても何も進めることはできません。先にも述べましたが、これはムダの所在を単に示しているだけに過ぎません。
また、リードタイム(工程期間)を短縮するためには仕掛かり量を削減すれば達成できます。しかし、仕掛かり量の削減の目的はリードタイムの短縮ではなく、多くの材料、部品、製品の仕掛かりが存在するために発生する多くのムダを排除してコストを削減することにあるのです。
筆者紹介
MIC綜合事務所 所長
福田 祐二(ふくた ゆうじ)
日立製作所にて、高効率生産ラインの構築やJIT生産システム構築、新製品立ち上げに従事。退職後、MIC綜合事務所を設立。部品加工、装置組み立て、金属材料メーカーなどの経営管理、生産革新、人材育成、JIT生産システムなどのコンサルティング、および日本IE協会、神奈川県産業技術交流協会、県内外の企業において管理者研修講師、技術者研修講師などで活躍中。日本生産管理学会員。
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