「新しいホンダ」は2030年に自動車販売の7割を電動車両へ:エコカー技術(2/2 ページ)
ホンダは東京都内で会見を開き、同社社長の八郷隆弘氏が中長期的な四輪事業の方向性などについて説明した。世界戦略車を中心にホンダらしい製品を投入していくため、開発/生産体制を見直す。また2030年には、プラグインハイブリッド車やハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車といった電動車両の販売比率を7割弱まで引き上げる方針だ。
輸入車に対抗するため「シビック」を日本にも投入
八郷氏は、販売台数の目標よりもまず、ホンダらしい製品で存在価値を認めてもらうことにこだわる。「世界戦略車の商品力を向上することでホンダらしさを深めていく」(同氏)と述べた。
世界戦略車のうち、2016年の北米カー・オブ・ザイヤーを受賞したシビックは、アジアや中国だけでなく、日本での販売も検討している。「シビックは日本では大きすぎると考えられてきたが、販売店の話を聞くと、ある程度のサイズでスポーティーなセダンは需要があることが分かった。現在ではこのクラスのユーザーが輸入車にとられている。対抗してシビックを投入しようと考えている」(同氏)。
シビック ハッチバックの次期モデルは、シビックや「シビック クーペ」と共通のプラットフォームを採用し、世界戦略車として競争力を高める。また、CR-Vやアコードの次期モデルには、新しいプラットフォームとダウンサイジングターボエンジンを採用し、走行性能とデザイン性を引き上げる。
地域専用車でも新モデルを投入していく。北米では、ピックアップトラック「リッジライン」や、CR-Vとオデッセイの次期モデルの発売を予定している。「アキュラMDX」は2017年からイーストリバティ工場とアラバマ工場の2拠点体制で生産する。日本は「フリード」のフルモデルチェンジを、中国では大型SUVやアキュラブランドの小型SUVの投入を計画している。
商品力の向上と柔軟な生産体制の構築により、適正な需給バランスとしていく。
電動化もホンダらしさに
今後は電動化技術の搭載拡大もホンダらしさとして位置付ける。2030年までに、販売の7割弱をプラグインハイブリッド車/ハイブリッド車/燃料電池車/電気自動車で賄う目標だ。販売台数のうち、50%以上をプラグインハイブリッド車とハイブリッド車が、燃料電池車と電気自動車が15%程度を占めると見込む。当面はプラグインハイブリッド車をコア技術と位置付け、将来的に燃料電池車と電気自動車に資源を集中させていく。
注力市場はパワートレインごとに分かれ、燃料電池車とプラグインハイブリッド車は日本と北米、ハイブリッド車は日本/中国/北米となる想定だ。燃料電池車は2016年3月に「クラリティ FUEL CELL」を発売し、2020年にはGeneral Motors(GM)と共同開発した次世代型燃料電池システムを製品化する。プラグインハイブリッド車は2020年以降に中国でも需要が増えるとしている。電気自動車は2018年に北米向けに投入する。また、2018年には北米向けにプラグインハイブリッド車も発売する計画で、クラリティ FUEL CELLと共通のプラットフォームを採用する。プラグインハイブリッドは、主要モデルにも順次設定していき、販売を拡大する。
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