ニュース
機械と電話のハイブリッド翻訳、京急で試験導入
京急電鉄と情報通信研究機構(NICT)、ブリックスは鉄道分野における外国人との円滑なコミュニケーションを目的とした実験を開始する。翻訳アプリに電話翻訳のサービスを組み合わせ、有用性を検証する。
京浜急行電鉄と情報通信研究機構(NICT)、ブリックスは2016年2月17日、鉄道分野における外国人との円滑なコミュニケーションを目的とした共同実験を開始すると発表した。NICTの多言語翻訳技術とブリックスの電話翻訳サービスを組み合わせ、スムーズな案内を目指す。
既に東急電鉄はNICTの開発した翻訳アプリ「VoiceTre」を用いた試験を実施しており、今回はVoiceTreにブリックスの電話翻訳サービスを組み合わせたタブレット端末用アプリケーション「鉄道案内」を新たに作成した。
アプリ「鉄道案内」は29言語に対応しており、音声もしくはテキスト入力にて翻訳を行う。旅客からの質問が簡単な内容ならばアプリで対応し、難しければアプリ上の「翻訳電話」ボタンをタップすることでブリックスの電話翻訳サービスに接続され、人の通訳によるサービスに切り替わる。
今回の実験は2016年2月17日より品川、京急蒲田、羽田空港国際線ターミナル、羽田空港国内線ターミナル、京急川崎、横浜、上大岡、金沢文庫、金沢八景、横須賀中央、三浦海岸、三崎口各駅の窓口などにて実施される。なお、翻訳アプリ「Voice Tra」搭載の駅案内タブレット端末は同年2月18日より泉岳寺駅を除く京急線全72駅に導入される予定となっている。
関連記事
- IoT観測所(17):日本発の無線規格「Wi-SUN」、国際展開への飛躍を阻む4つの問題
IoTにまつわる標準化規格で数少ない日本発の規格が「Wi-SUN」だ。家庭向けに低消費電力でメッシュネットワークを構築できるWi-SUNの特徴と、国際的なデファクトスタンダード化を阻む問題について解説する。 - もずく養殖にWi-SUN活用
もずく養殖の海上ブイにWi-SUNを搭載、陸地から海上の水温と塩分をチェック。そんな実証実験をNICTが行った。Wi-SUNの漁業分野への適用実証は世界初だという。 - オノマトペ:“同僚の忙しさ”を感じ取るテレワークシステム、沖電気ら開発
沖電気工業らは遠隔地でも“同僚の忙しさ”などを感じ取れる「超臨場感テレワークシステム」を共同開発した。音や動きをオノマトペで知らせ“遠隔地間の雰囲気共有”をスムーズに行う。 - 量子鍵配送ネットワーク:暗号通信で“ドローン乗っ取り”を防ぐ、NICTら開発
NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)はプロドローンおよびサンエストレーディングと共同で、ドローンの安全な飛行制御通信を実現する技術を開発した。 - 太陽風から地球を守れ:通信を切断する「太陽風」から地球を守れ、「宇宙天気予報」の広がり
太陽による地球磁場への影響を観測する「宇宙天気予報」の実用化が情報通信研究機構(NICT)によって進められている。毎日Webサイトで公開されるデータは、人工衛星や通信を守る貴重な情報源となっている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.