新素材とUVプリントで広がる3Dプリンタの可能性:3D Printing 2016
ローランド ディー.ジー.は「3D Printing 2016」に出展。monoFabシリーズをはじめとする3D造形機とUVプリンタに関する展示デモを行った。
ローランド ディー.ジー.(以下、ローランドDG)は、2016年1月27〜29日の3日間、東京ビッグサイトで開催されている「3D Printing 2016」に出展。monoFabシリーズをはじめとする3D造形機と、UVプリンタに関する展示デモを行った。
同社はmonoFabシリーズとして、デスクトップサイズの光造形方式3Dプリンタ「ARM-10」と3D切削加工機「SRM-20」を展開。3D Printing 2016の展示会場では、ARM-10向けの新素材の参考展示の他、SRM-20で加工した樹脂型による小ロットの射出成形デモを行っていた。
新素材(ゴムライク)で広がる3Dプリンタの利活用
これまでARM-10向けの樹脂材料は、硬質タイプの「PRH35-ST」と軟質タイプの「PRF35-ST」の2種類が用意されていたが、より幅広いARM-10の利活用の促進を目的に、柔らかな触感が特長の新樹脂材料(ゴムライク素材)を開発。その造形サンプルを展示した。実際の触り心地は柔らかいゴムのように適度な弾力があり、表面は人間の皮膚のようにしっとりとしたものだった。
また応用例として、新素材で出力したものを同社UVプリンタ「LEF-300」で表面加飾して仕上げた、腕時計のベルトの造形&加飾サンプルも展示されていた。革シボをUVプリンタで表現してあり、新素材の柔らかさと相まって、ぱっと見は本物の(腕時計の)革ベルトのようだった。なお、新素材の製品化時期は2016年の春ごろを予定しているという。
切削加工した樹脂型で小ロット生産
さらに同社は、SRM-20で切削加工した樹脂型による小ロットの射出成形について紹介。展示ブースでは、卓上小型射出成形機「EasyMold」(デジタルファクトリー製)を用いたデモが披露された。ちょっとした試作や少量生産が必要な場合などに使える可能性があるとし、「形状にもよるが、数十〜100ショット程度であれば割れずに成形できた」(説明員)という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ローランドDGが「FAB11」に協賛、デスクトップファブの可能性を訴求
ローランド ディー.ジー.(ローランドDG)は、米国ボストンで開催される「第11回 世界ファブラボ代表者会議(FAB11)」に協賛したことを発表した。 - ローランドDGの小型切削加工機「SRM-20」に隠された“ヒミツの扉”
ローランド ディー. ジー.は、2014年11月23〜24日に東京ビッグサイトで開催された「Maker Faire Tokyo 2014」に出展。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)との共同研究として、SRM-20の“ヒミツの扉”を活用した新しいデジタル工作機械のカタチを提案するデモを披露した。 - 未来の机上工場を実現する小型3Dプリンタ「ARM-10」と切削加工機「SRM-20」
ローランド ディー. ジー.は、新シリーズ「monoFab(モノファブ)」のラインアップとして、光造形方式の小型3Dプリンタ「ARM-10」と小型切削加工機「SRM-20」の2機種を世界同時発売すると発表した。 - 3Dプリンタ製の樹脂金型が自動車製造を革新!? ハイテン材のプレス加工も
豊通マシナリーは「オートモーティブワールド2016」において、3Dプリンタで製造した樹脂製金型による金属プレス加工技術「デジタルモールド・プレス」について展示デモを行った。 - 会員制DIY工房「TechShop Tokyo」がオープンに先駆け内覧会を開催
テックショップジャパンは2016年1月26〜30日の5日間、会員制オープンアクセス型DIY工房「TechShop」のアジア第1号店となる「TechShop Tokyo」の内覧会を開催。2月中旬のプレオープン前に、施設内を見学できるツアーを実施する。