MRIシステムのリニューアルソリューションを発売、大口径モデルに一新:医療機器ニュース
東芝メディカルシステムズは、医療施設で稼働中の東芝1.5テスラMRIシステムを、大口径フラッグシップモデルの「Vantage Titan」最新バージョンに一新するリニューアルソリューションを発売した。
東芝メディカルシステムズは2015年12月28日、医療施設で稼働中の東芝1.5テスラMRIシステムを、大口径フラッグシップモデルの「Vantage Titan」最新バージョンに一新するリニューアルソリューションを発売した。
今回発売したリニューアルソリューションは、MRIの重要部品である高性能マグネットをそのまま活用。他のコンポーネントを交換することで、最新の性能と機能を備えた1.5テスラMRIシステムに一新する。これにより、現有資産のサポートを継続すると同時に、長期間の有効活用を可能にした。
同社では、納入済みの高性能マグネットはそのままに、高画質化に寄与する傾斜磁場コイルをスリム化した「Slim Gradientコイル」を開発。患者開口径71cmのゆとりある検査空間により、患者の負担を軽減した。さまざまな体位での撮像も可能で、従来システムでは困難だった、新しい検査方法にも対応できる。
さらに、ワークフローを考慮した操作システム「M-Power V3」の採用により、撮像時と撮像後の操作ステップ数を削減し、検査効率が向上した。チルト機構を搭載した「Atlas SPEEDERヘッド/ネック」では、背中の曲がった高齢者の検査でも短時間でセッティングができる。他に、最新アプリケーションの追加や充実したコイルのラインアップなどにより、検査の質の向上と検査時間の短縮が可能になるという。
また、既設マグネットを活用するため、マグネットを入れ替える必要がなく、工事費を抑制し、システム導入に伴うダウンタイムも短縮できる。リニューアル後のシステムは省エネ性に優れ、従来の装置を下回る定格電源容量62kVAを可能にした。
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