ニュース
MRI検査中に広視野バーチャル映像を表示する技術:医療機器ニュース
東芝と東芝メディカルシステムズは、MRI検査装置のボア内に設置したドーム型スクリーンに、検査空間を感じさせない広視野・高臨場感映像を表示できる技術を開発した。閉所であるボア内へ入る感覚や検査への不安を軽減できる。
東芝と東芝メディカルシステムズは2015年11月30日、MRI検査装置の検査空間であるボア内に設置したドーム型スクリーンにプロジェクターから映像を投影することで、検査空間を感じさせない広視野・高臨場感映像を表示できる技術を発表した。
この技術は、寝台の位置に応じて動く半透過ドーム型スクリーンをボア内に設置し、磁界の影響がおよばないMRI検査装置の後方に設置したプロジェクターから、スクリーンとボア内カバーに映像を投影するというもの。寝台にはミラーが設置されており、患者はそこに反射された映像を見ることができる。その高臨場感映像は、実際のボア内カバーより遠くに映し出されているように感じられるため、広々とした明るいバーチャル空間を得られ、検査空間を感じにくくなる。
このドーム型スクリーンには、同社の車載用ヘッドアップディスプレイや超高臨場感用頭部搭載型ディスプレイの基盤技術が生かされている。物体の色や形状を処理する中心視野に加えて、空間の奥行や広がり、動きを処理する周辺視野に映像刺激を与えることで、視野角60度以上の広視野・高臨場感映像が可能になった。
関連記事
- “妹”も生まれる「地平アイこ」、誕生の秘密
東芝の開発したコミュニケーションロボット「地平アイこ」(ちひらあいこ)。自然さにこだわり、展示会では手話も披露した。産業用ロボットは以前から手掛ける同社が、なぜコミュニケーションロボットの事業化を目指すのか。 - 東芝やキヤノンが優位、微細加工技術の「ナノインプリント」
数十nm単位の微細加工に適した技術「ナノインプリント」。ある種の印刷技術を使って樹脂表面などに微細なパターンを転写する米国の大学発の先進技術だ。同技術の特許出願状況を調査したパテント・リザルトによれば、強い特許を持つ上位5社の中に、日本企業として東芝、キヤノン、富士フイルムが入った。 - NEDOの「予測」を8年も早く達成、東芝の住宅用太陽電池
東芝がモジュール変換効率20.1%の住宅向け太陽電池の販売を開始する。今後、年間100MW以上を販売していく見込みだ。 - 東芝が「SCiB」を車載用に展開、2次利用による価格低減も視野
- 韓国に負けたのか日本企業、燃料電池で東芝とパナが健闘
家庭の据え置き用途、燃料電池車、携帯型用途……。燃料電池は発電効率が高い他、燃焼ガスの発生が少なく発電技術だ。動作音が静かであることも他の発電技術と比較して有利だ。燃料電池の研究開発は米国で始まり、日本と米国を中心に実用化が進んでいる。では特許戦略では日本は優位にあるのか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.