10分の1スケールの自動運転実験用ロボットカーが最新版に、開発環境も充実:自動運転技術
ZMPは、自動運転や遠隔操縦、センシングの研究開発向けに10分の1スケールのロボットカー「RoboCar 1/10 2016」の受注を開始したと発表した。最新モデルとなる同製品は、従来製品として開発環境を充実させた他、新たにレーザーレンジセンサーをオプションで搭載する。税別価格は一般向けが80万円、アカデミックが68万円から。
ZMPは2016年1月12日、自動運転や遠隔操縦、センシングの研究開発向けに実車の10分の1スケールのロボットカー「RoboCar 1/10 2016」の受注を開始したと発表した。RoboCar 1/10の最新モデルとなる。従来製品と比較して開発環境を充実させた他、レーザーレンジセンサーをオプションで搭載した。税別価格は一般が80万円、アカデミックが68万円から。2016年1月末から出荷を開始する。
RoboCar 1/10 2016のサイズは全長429×全幅190×全高150mm、重量2.2kgで、室内で自動運転の実験を行える点が特徴だ。車両周囲のセンシングに利用できる単眼カメラ1個、赤外線センサー8個を搭載している。単眼カメラの撮影性能は画素数640×480ピクセル、フレームレートが30fps。赤外線センサーの測距性能は100〜800mm。
RoboCar 1/10 2016からはオプションで最大2個のレーザーレンジセンサーを車両の前後に追加できる。レーザーレンジセンサーの測距性能は60〜4000mm。レーザーレンジセンサーセットは、税別価格が一般で104万円、アカデミックが92万円となる。障害物回避のサンプルプログラムも提供する。
他のセンサーとして、3軸の加速度センサーや1軸のジャイロセンサーの他、車輪/駆動用モーター/ステアリングにエンコーダを搭載しており、車両の挙動や走行距離を把握しながら実験できる。
また、従来製品と比較して開発環境を充実させたことも特徴となっている。コンソールやマウス、キーボードを車両本体に直接接続でき、GUIでのオンボード開発に対応した。ディスク容量はSSD 64GBに増強し、実験で取得した画像データの蓄積が容易になったとしている。Linux(Ubuntu)/C++/OpenCVにも対応し、開発効率の向上をサポートする。
さらに、システムを起動したまま電源を切り替え可能で、開発時はAC電源、走行中はバッテリーと使い分けることができる。実験時の通信環境の制約を低減するため、IEEE802.11acのWi-Fi通信にも対応した。
RoboCar 1/10 2016は2016年1月13〜15日に東京ビッグサイトで開催する自動車技術の展示会「オートモーティブワールド2016」で展示する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ロボットタクシー設立の理由は「自動運転のレベル4で先駆けたい」
ソーシャルゲーム大手のディー・エヌ・エー(DeNA)と「ロボットタクシー株式会社」を設立するZMP。「人とくるまのテクノロジー展2015」のZMPブースで、同社社長の谷口恒氏に、ロボットタクシーに取り組む理由について聞いた。 - カルガモのようについてくる物流支援ロボット、ZMPが受注開始
ZMPは物流現場の作業員不足の解消や生産性の向上を図る汎用台車型ロボット「CarriRo」の受注を開始した。カルガモのように作業員を追尾する機能も有する。 - ZMP、「RoboCar 1/10」のKinectセンサー搭載モデルを発表
ゼットエムピーは、同社の次世代自動車研究用プラットフォーム「RoboCar 1/10 Lite」に、マイクロソフトのXbox 360用「Kinectセンサー」を搭載したモデル「RoboCar 1/10 Lite&Kinect」の受注を開始した。 - カメラいらずのモーションセンサーパッケージ、ZMPが販売
ZMPが人間と作業対象の動きを同時に計測できるモーションキャプチャーシステム「ZMP IMU-Z Body Motion センサパッケージ」の販売を開始した。モーションセンサーの活用でカメラを使わず、人間と対象物を同時に測定できる - ZMPが「Core i7」搭載の自動運転用コントローラを開発、2015年7月に発売
ベンチャー企業のZMPはインテルの高性能CPU「Core i7」を搭載した自動運転技術開発用のコントローラボックス「IZAC」を開発する。今後、設計試作とテストマーケティングを行い、2015年7月に発売する予定である。