日産の自動運転技術はルノーにも拡大、2020年までに10車種以上へ展開:自動運転技術
ルノー・日産アライアンスは、2020年までの4年間で自動運転技術を10車種以上に採用する。日本、欧州、米国、中国の主力車種に導入する計画。自動運転技術の導入に合わせて、車両内で仕事をしたり、娯楽を楽しんだり、ソーシャルネットワークとつながることができるスマートフォン向けアプリも展開する。
Renaultと日産自動車のアライアンス(ルノー・日産アライアンス)は2016年1月7日(米国時間)、2020年までの4年間で自動運転技術を10車種以上に採用すると発表した。日本、欧州、米国、中国の主力車種に導入する予定。自動運転技術の導入に合わせて、車両内で仕事をしたり、娯楽を楽しんだり、ソーシャルネットワークとつながることができるスマートフォン向けアプリも展開する。
発表は米国シリコンバレーにある日産総合研究所シリコンバレーオフィス(NRC-SV)で行われた。ルノー・日産アライアンスCEOのカルロス・ゴーン氏も参加し、自動運転の実証試験車を体験した(クリックで拡大) 出典:日産自動車
導入する自動運転技術は3段階に分かれている。2016年は、高速道路上の単一レーンで安全な自動運転を可能にする技術を投入する。2018年には危険回避や車線変更を自動的に行う、複数レーンでの自動運転技術を導入。そして2020年までに、交差点を含む一般道でドライバーが運転に介入しない自動運転技術を導入する予定である。これらの自動運転技術は、ドライバーの意思で自動運転モードのオン/オフを選択できるようにする。
日産自動車は2014年7月、今回の発表と同じ3段階に分けた自動運転技術の導入計画を打ち出している。ルノー・日産アライアンスとしての発表を行うことで、日産自動車の方針がそのままルノーにも展開されることになった。
自動運転技術の導入に合わせて車載情報機器関連の展開も拡大する。まず2016年後半に、遠隔でクルマとのやりとりができるスマートフォン向けアプリを投入する。2017年には「アライアンス・マルチメディア・システム」と呼ぶ、スマートフォンと連動する機能や無線で地図情報を更新することもできるカーナビゲーションシステムを導入する。2018年には、新型の「バーチャル・パーソナル・アシスタント」機能をサポートする専用の車載情報機器プラットフォームを一般および法人ユーザー向けに展開するとしている。
これら車載情報機器関連の事業を統括するコネクテッドカーとモビリティサービス担当のシニアバイスプレジデントとしてOgi Redzic(オギ・レドジク)氏を任命した。45歳のレドジク氏は、地図データサービス大手HEREの自動車事業グループを率いるなど、車載情報機器関連事業での知見や経験が豊富だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日産自動車は10年前から予見していた、電気自動車と自動運転車のトレンド
日産自動車 フェローの久村春芳氏が、半導体製造技術の国際展示会「SEMICON Japan 2015」で講演。同社は、COP21の合意により需要の拡大が見込まれる電気自動車や、自動車業界の内外で開発が加速する自動運転車のトレンドについて、2005年の時点で予見していたという。 - 日産の自動運転は“心地よい”、コンセプトEV「Nissan IDS Concept」
日産自動車が東京モーターショー2015で自動運転技術のコンセプトEV「Nissan IDS Concept」を世界初公開。「ニッサン・インテリジェント・ドライビング」という同社の自動運転車コンセプトを具現化。“人にとって心地よい”自動運転とは? - 日産の自動運転技術は2020年までに3段階で進化、まずは渋滞時の自動運転から
日産自動車は、2020年までに実用化するとしていた自動運転技術の投入スケジュールを発表した。2016年末に渋滞中の高速道路で自動運転を可能にする「トラフィック・ジャム・パイロット」と自動駐車システムを、2018年に複数レーンを使った自動運転技術を、そして2020年までには交差点での運転操作が不要な自動運転技術を導入する方針だ。 - 新型「スカイライン」が示唆する日産の自動運転技術の実現性
日産自動車は、スポーツセダン「スカイライン」をフルモデルチェンジし、2014年2月から国内販売を始める。新型スカイラインが世界初採用をうたう3つの技術は、同社が2020年までに複数車種で導入すると言明している自動運転技術との関連が深い。 - PC10台分の処理装置で自動運転を実現、日産が2015年の実用化目指す「NSC-2015」
日産自動車が、「CEATEC JAPAN 2012」で公開している、自動運転機能を搭載する電気自動車(EV)「NSC-2015」。自動運転に必要な周辺認識と車両制御を行うために、PC10台分に相当する処理装置を搭載している。