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マツダ「RX-VISION」の長〜いボンネットには何が入る?今井優杏のエコカー☆進化論(21)(4/4 ページ)

2015年11月8日に閉幕した「東京モーターショー2015」。筆者が注目したのは、マツダの「RX-VISION」と日産自動車の「IDSコンセプト」だ。RX-VISIONの長〜いボンネットには一体何が入るのか。完全自動運転にも対応するIDSコンセプトが事故を起こしたら誰が責任を取るのか。

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自動運転のハードルは「人間の旧いメンタリティ」

 しかし、世界のクルマが完全に自動運転に移行するなんて、いくら自動運転の導入が始まっても困難を極めるはず。世の中には旧いクルマだってたくさん走っているでしょう。

 完全に責任を取ると言い切ってくれたことはとても頼もしいですが「本当にそれが実現するのでしょうか」という問いに、エンジニア氏は「難しいかもしれませんが、作りました、その先知りません、じゃあメーカーとしてあまりに無責任です。自動運転を発信するならば、その責任はメーカーが取らないと」とやや青臭い意見が。

 もしかしたら彼個人的な意見だったのかもしれませんが、誰がどう責任を取るのか、それが今後の自動運転化にむけて最大のテーマになることは間違いないでしょう。願わくば訴訟破産のようになっちゃうようなメーカーが出てこないように祈るばかりです。

 技術の展示としては、ZFやContinental(コンチネンタル)、またRobert Bosch(ボッシュ)のようなメガサプライヤも自動運転に関する展示が多かったです。

 特に自動運転に欠かせないセンサー類を展示していたボッシュの、そのセンサーの小型化技術には驚きました。これなら今すぐ、既存モデルの中にだって組み込めそうな予感。

自動運転に欠かせないセンサー類自動運転に欠かせないセンサー類 ボッシュは自動車を模した展示を使って自動運転に欠かせないセンサー類を披露(クリックで拡大) 出典:ボッシュ

 自動車メーカーの展示に比べればやや地味でマジメな展示の多いサプライヤブースですが、ここから次世代のテクノロジーが生まれているため、じっくり見ると味わい深い展示なので今後のショー見学ではチェックをお忘れなく!

 いずれにせよ、ドラえもんとかAKIRAみたいな世界観は、もう事実上できているんだなっていうことを強く感じたモーターショーでした。

 それが市販化されるために越えなければいけないハードル、それは意外にも恐らく人間の旧いメンタリティなのでは? 保証が、昔のクルマが、道路が、免責が……エトセトラ、etc。

 恐らく、それをいったんクリアにしてしまえば、恐ろしく急速に自動化は進むのではないかなと感じ入りました。自動運転を受け入れるには、今生きている私たちがちょっとアタマを柔軟にする必要がありそうです。いえ、かくいう私ももちろん「完全自動化」には抵抗を持つ、張本人ではあるんですけどね。クルマもバイクも自分で運転したいし。ああ、こういう旧いメンタリティが……(以後繰り返しのため自粛)。

プロフィール

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今井 優杏(いまい ゆうき)

レースクイーン、広告代理店勤務を経て自動車ジャーナリストに転向し、Webメディア、自動車専門誌に寄稿。そのかたわら、モータースポーツMCとしての肩書も持ち、サーキットや各種レース、自動車イベントなどでMCも務め、日本全国を飛び回る日々を送っている放浪系女子。自動二輪と自転車、両方の意味でのバイク好きでもある。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員、2013〜2014日本カーオブザイヤー選考委員。



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