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第4次産業革命で必須となる“手足の頭脳”、ルネサスが人工知能付きデバイスを披露SCF2015(1/2 ページ)

ルネサス エレクトロニクスは、オートメーション技術の展示会「システムコントロールフェア(SCF)2015」(2015年12月2〜4日、東京ビッグサイト)において、製造現場におけるエッジコンピューティング実現に向け、人工知能(機械学習)を組み合わせた産業向けエッジデバイスソリューションを披露した。

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 ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は、オートメーション技術の展示会「システムコントロールフェア(SCF)2015」(2015年12月2〜4日、東京ビッグサイト)において、製造現場におけるエッジコンピューティング実現に向け、同社の「R-IN」エンジンに人工知能(機械学習)技術を組み合わせた、産業向けエッジデバイスソリューションを披露した。

インダストリー4.0などで注目される“つながる工場”

 製造現場においてIoT(Internet of Things、モノのインターネット)を含むICT(情報通信技術)活用の動きは活発化している。ドイツ連邦政府が主導するモノづくり革新プロジェクト「インダストリー4.0」などの他、米国の大手企業が取り組む「インダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)」などが進む他、日本でも政府が主導する「ロボット革命イニシアティブ協議会」の「IoTによる製造ビジネス変革WG」や、日本機械学会内での活動が母体となった「インダストリアルバリューチェーンイニシアチブ(IVI)」などの活動が進みつつある。

 これらの活動が目指す製造業の姿は、工場の自律化によるマスカスタマイゼーションの実現だといわれている。マスカスタマイゼーションとは、大量生産(マスプロダクション)の効率で、一品モノのカスタム品を製造することだ。これを実現するためには、製造現場の末端で、受注や調達などの上位システムの情報を全て把握する必要があり、工場内のあらゆる情報伝達網やシステムを結ぶ「つながる工場」が実現できなければならない。

 この「つながる工場」においてカギを握ると見られているのが「エッジコンピューティング」である。これらのシステムを考える時、現場の情報を全てネットワーク網を通じてクラウド環境に上げるということを考えがちだが、現実的ではない。通信網のひっ迫が生まれる他、クラウド環境で処理した情報を現実の世界にフィードバックする際にも、大きな遅延が発生することが想定される。そこで現場の情報を一時的に選別し必要な情報だけをクラウド環境に上げ、その場ですぐに処理が必要なものについては、その場で処理するという役割を担うのがエッジコンピューティングである。いちいち頭で考えていては危険になる状況で反応する人体の“反射”の役割を果たすイメージだ。

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エッジコンピューティングのイメージ 出典:ルネサス

 ルネサスがSCFで披露したのは、この「つながる工場」におけるエッジコンピューティング用のソリューションである。同社は、産業機器/産業ネットワーク向けプラットフォームとして「R-IN(Renesas’s platform for INdustry)」をリリースしているが、同プラットフォームがこのエッジコンピューティングに最適だと訴える。

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