天井に付けるだけで人間を守る“見えない”安全柵技術をオムロンが出展:SCF2015
オムロンは、オートメーション技術の展示会「システムコントロールフェア(SCF)2015」(2015年12月2〜4日、東京ビッグサイト)において、3次元センシング技術を用いて“見えない安全柵”を作り出す技術「3次元セーフティセンシング技術」を出展した。
オムロンは、オートメーション技術の展示会「システムコントロールフェア(SCF)2015」(2015年12月2〜4日、東京ビッグサイト)において、3次元センシング技術を用いて“見えない安全柵”を作り出す技術「3Dセーフティビジョンシステム」を出展した。
オムロンが出展した「3Dセーフティビジョンシステム」は、同社の製造現場向け安全診断技術と画像処理技術を融合した安全対策用センシング技術である。天井に設置した「3Dセーフティビジョンシステムセンサーヘッド」と、劣化を補正するリファレンスマーカーを設置するだけで、最大で4×6メートルの“見えない安全柵”を設置することが可能だ。
従来も“見えない安全柵”としては、ライトカーテンやレーザースキャナーなどを活用する仕組みがあったが、周囲を囲むように設置をする負担などがあった。今回オムロンが開発した「3Dセーフティビジョンシステム」は画像認識を活用するため、天井に設置するだけで一定範囲の安全性を確保できることが特徴だ。
カメラによる画像センシングを安全対策に用いるためには、振動や温度変化などの環境変化によって生じる“カメラ光軸のズレ”を、「故障」と「環境変化」に分けてリアルタイムに識別することが必要になる。これらをアルゴリズムとリファレンスマーカーの活用による補正で、安定性を確保したことで実用化へのめどを付けたという。安全性についても2015年に制定された安全対策機器の国際標準規格(IEC/TS 61496-4-3 Ed.1.0)に適合する高い安全性を実現している。
このセンサーヘッドとコントロールユニットを接続することで、安全柵を超えた場合にロボットの動作を停止するなどの安全措置を自動で取れる他、同社のPLCと組み合わせることで画像データを収集し安全性に関するビッグデータ分析などに活用することが可能となる。
製造現場ではより柔軟な生産体制が求められるようになってきているが、現行の安全対策用機器と防護柵を組み合わせた固定的な防護は、生産ラインの柔軟な変更などを妨げる障壁の1つとなっている。3次元画像で人の侵入や存在を検知する防護に置き換えることで、機械設備に対する加工部材のセッティングや調整・メンテナンスの際に、防護エリアへの作業者のアクセスに柔軟性をもたせ、作業効率を改善することが可能となる。
「生産ラインの柔軟な変更で活用したいというニーズが多い。多品種少量生産が増える中で安全柵まで含めて毎回設置するのは手間だという声だ。3Dセーフティビジョンシステムであれば、これらの問題を解決可能だ」とブース担当者は述べている。
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