民間資本で月面を目指す! 「HAKUTO」のメカエンジニアが語る日本のモノづくり:zenmono通信(7/7 ページ)
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は日本発の月面探査を目指す民間宇宙開発チーム「HAKUTO」のメカニカルエンジニアを務める古友大輔さんにお話を伺った。
月面探査車の最新開発状況はこちら!
今回、古友氏よりHAKUTOの月面探査車の開発状況(2015年11月18日時点)について、最新の情報をご提供いただきました。こまでお伝えしてきたインタビューの収録時から、さらに開発が進んでいるようです! 以下にいただいた情報を掲載します(MONOist編集部)
ソーラーパネルを追加で搭載
より軽量で長時間の運用を実現するために、ソーラーパネルを搭載。これにより充電が可能になりました(搭載するバッテリー容量を削減)。着陸地点での太陽光角度に対して最も効率よく発電するために、ボディのサイドに配置しています。
360度カメラをブラッシュアップ
月面探査車が月面を見つめる目となるカメラは、360度を撮影できるよう前後左右4カ所に設置しました。また、ホイールが視野に入っているので走行状態をモニタリングする役割も担っています。
ホイール
月面は、レゴリスと呼ばれるパウダー状の砂で覆われています。非常に軟らかいその地面でスリップせずに走行できるようホイールの直径とハネの数を見直し、さらに最適化しました。
ハイブリッド通信
より遠くまで通信可能な900MHz帯と、高速通信が可能で日本国内での実験に最適な2.4GHz帯の、ハイブリッド通信システムを搭載しています。
熱対策
月面の昼夜の温度差は250℃以上になります。ローバー内部の温度を一定に保つため、ボディ外面は排熱面として銀蒸着+テフロンコートを施しています。これにより熱収支をコントロールします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 諦めるしかなかったあのアイデア、企業の枠を超えた「ヤミ研」で製品化
会社に秘密でこっそりと進める製品開発――俗に言う「ヤミ研」。このヤミ研を企業の枠を超えてオープンに展開し、お蔵入りとなってしまった製品のアイデアを実現させようとしているのがベンチャー企業のNovarsだ。同社は「CEATEC 2015」でこのヤミ研の初成果となるスマートガジェット「MaBeee」を展示。その取り組みを取材した。 - 「東大阪に“こども金型職人”を生み出す発信基地を作りたいねん!」
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、中辻金型工業 総括部長の戸屋加代氏にお話を伺った。 - 月面探査レース参加の日本チーム「HAKUTO」、JALとパートナーシップ締結
国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」に参加している日本の「HAKUTO」が、JALとコーポレートパートナー契約を締結。JALの整備技術などを月面探査機の保守運用に生かす計画だ。 - デザインマネジメントから日本のモノづくりを語る――MTDO・田子學氏
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、日本で「デザインマネジメント」を実践する数少ないデザイナーの1人であるMTDOの田子學氏にお話を伺った。