民間資本で月面を目指す! 「HAKUTO」のメカエンジニアが語る日本のモノづくり:zenmono通信(6/7 ページ)
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は日本発の月面探査を目指す民間宇宙開発チーム「HAKUTO」のメカニカルエンジニアを務める古友大輔さんにお話を伺った。
日本のモノづくりの未来
enmono 最後に「日本のモノづくりの未来」について、古友さんのお考えを伺いたいと思います。
古友氏 日本のモノづくりはすごく優秀だと思うんですね。ただ、加工の分野では高齢化が進んでしまっていて、技術継承が非常に課題だなと思っています。最近、丸モノ(パイプ)を作りたいと思った時があったんです。すごい馴じみの旋盤屋さんがいたんですけど、「もう歳で目が見えないからそんなに言われても精度が出ん。ワシは引退する」といわれてしまったこともありました。で、結局作れなくなってしまって困ったなと。結構人に技術が依存してしまっている。
enmono 技術を継承できる20代、30代の人材がまだまだいませんよね。
古友氏 海外で作った方がコスト的にメリットがあるといことで、少し前は海外に依頼する流れがあったと思うんですけど、最近は国内に戻ってきてる感じがします。
それと同時に次世代のモノづくりを育てるような場所があるといいのかなと感じています。「5軸の加工機と3次元CADさえあったら何でもできます」ていうんじゃないく、日本の今まで培ってきた技術をさらに育てていくような。もちろん加工機は必要です。5軸の加工機はもちろん大事で、そういうものをより有効活用して技術力を広げるというか、人と機械を合わせて進歩させられるようになってくれれば良いなと思います。
enmono もっと若い世代にモノづくりをやってもらいたいと。
古友氏 はい。
enmono なんでみんなやらないんですかね。古友さんはやりたい側ですよね。
古友氏 僕やりたいですね。これ終わったら加工屋になろうかなと思うくらいです。
enmono ぜひぜひ若い人、モノづくりは面白いので。こういう人と知り合うのも面白いですよ。
古友氏 ぜひ!
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