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デザインマネジメントから日本のモノづくりを語る――MTDO・田子學氏zenmono通信(1/3 ページ)

モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、日本で「デザインマネジメント」を実践する数少ないデザイナーの1人であるMTDOの田子學氏にお話を伺った。

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本記事はモノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から転載しています。


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MMS概要

 今回のゲスト、MTDO(エムテド)の田子さまは、株式会社東芝デザインセンターにて多くの家電、情報機器デザイン開発にたずさわる。同社退社後、株式会社リアル・フリートのデザインマネジメント責任者として従事。その後新たな領域の開拓を試みるべく、2008年株式会社エムテドを立ち上げられました。

 現在では、幅広い産業分野でコンセプトメイキングからプロダクトアウトまでをトータルでデザイン、ディレクション、マネジメントまで携わられています。

 直近では、NARUMI(鳴海製陶株式会社)の耐熱食器ブランド「OSORO(オソロ)」のデザインを手掛けられ、ドイツ・ハノーバー工業デザイン協会(iF-International Forum Design GmbH Hannover)が主催するiF design award2013にてGOLD(最高位金賞)を獲得されています。

 田子さまは、デザインを単純な色と形の造形を生み出すことと捉えるのではなく、ビジネス全体をデザインしてはじめて目的とするプロダクトを生み出すことができるというお考えのもと、積極的な活動をされています。

 今回は、田子様のご活動から、日本のモノづくりの目指すべき未来と、われわれとの対談を通して、日本のモノづくりの未来に関してもお話をいただければと考えております。


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田子氏 デザインと一口に言っても多くの領域を含み、経営領域にまでデザインが必要とされています。会社全体を俯瞰してみてデザインをしていくということが、デザインマネジメントの特徴です。まさに企業のブランドをつくり上げることになります。

enmono宇都宮氏 でもブランドって言うとマーケティングのイメージがありますが、いかがでしょう?

田子氏 自分が考えるブランドは、会社の根源とかモノの本質ってなんなの?といったところからくるものだと捉えています。

 実際に自分がやってきたことを少しおはなしします。東芝を辞めた後、立ち上げより参画していたREALFLEETにてデザインマネジメント部署を設置し、デザインを実践していました。

 そこでは、リモコンについてその存在意義などを問い直し、大切な価値を与え、1万5000円という販売価格で提供したところ、世間がびっくりしマスコミが取り上げるような商品となったのです。そのおかげで会社の認知が広まる効果がありました。

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enmono宇都宮氏 その文脈で、大企業ではできなかったけれど、小さな企業だから取りうる戦略というのはあったのでしょうか。

田子氏 はい、それまではある意味大量消費の世界にいたので、その逆をデザインしてゆきました。そしてブランドを確立するためにも販売戦略としてモノの価値をしっかりと伝え、商品の寿命も永く維持したいという思いがありました。そのためには、作り手と売り手と買い手の気持ちが一体となっていなければ実現できないと考えました三者のバランスを取り、お互いの思いが一致しなければ販売しないという選択をしたことが商品のデザイン性を理解してくれることにもつながりました。

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